牛「肝臓」の取扱いについて
生食用牛肝臓の取扱いについて、昨年7月6日の食中毒・乳肉水産食品合同部会、同年12月20日、本年2月24日及び3月30日の本部会で議論した結果、現時点までに得られている知見は以下の通りです。
@腸管出血性大腸菌は牛の腸管内に存在し、2〜9個の菌の摂取で食中毒が発生した事例有り。
A生食用牛肝臓の提供の自粛を要請した昨年7月以降、4件(患者数13人)の食中毒事例有り。
B厚生労働省が実施した牛肝臓の汚染実態調査で、牛肝臓内部から腸管出血性大腸菌及び大腸菌が検出される。また、国内外の文献において、牛肝臓内部及び胆汁から腸管出血性大腸菌の検出事例有り。
C牛肝臓を安全に生食するための有効な予防対策は、いまだ見出せない。
これらの知見を踏まえて、国民の健康保護の観点から、食中毒の危険性が高まる夏までの間に、
A、牛肝臓の生食を禁止する方向で手続きを進める必要があるため、牛肝臓を生食用として販売してはならない旨。
B、牛肝臓を使用して食品を製造、加工または調理する場合には、中心部を63℃で30分間加熱または同等以上の殺菌効果のある加熱殺菌が必要な旨、を掲げた食品衛生法第11条第1項に基づく規格基準が設定されました。
また、消費者等への注意喚起の観点から、消費者庁に表示基準の設定を含めた安全確保策の周知等について検討を依頼する必要があるとしています。
なお、関係団体が引き続き牛肝臓内部の汚染除去試験等を実施していることから、今後、安全性を確保できる新たな知見が得られた場合には、手続きの途中であっても、本部会で改めて審議を行うとしています。