『平成29年度生活衛生営業関係税制改正要望事項』 |
16団体を傘下に置く（一社）全国生活衛生同業組合中央会（大森利夫理事長）は、平成28年10月26日に公明党幹部との政策要望懇談会で、『平成29年度生活衛生営業関係税制改正要望事項』を提出し陳情しました。尚、11月に行われた自由民主党税制部会においても同様の要望を伝えました。
生活衛生営業は、小規模な事業者が多く各種租税公課が経営上・事業継承上の負担となっている場合が多く見受けられる。生活衛生営業は事業活動を行って利益を得るのみならず、様々な面で地域社会に貢献している点を考慮し、円滑な事業運営及び事業継承ができるよう税制改正をお願いしたいといった内容が盛り込まれています。
●交際費課税に関する事項
⒈交際費課税を撤廃してください
交際費への課税は、売り上げが大きく低迷している当業界にとって悪影響となっています。平成26年度の税制改正により、2年間の期限付きで企業規模を問わず飲食費に限り交際費の損金算入が5割まで拡大されました。地域の活性化及び消費拡大に多大な役割を果たしていることから、引き続き特例措置の延長はもちろんのこと、交際費の全額について損金算入可能としていただきたい。
●消費税に関する事項
⒉消費税免税点及び簡易課税適用売上高の引き上げ、消費税軽減税率の適用、消費税外税表示の恒久化などの措置を講じてください。
消費税10％への引き上げ時期が平成31年10月まで延長すると表明されていますが、多くの小規模零細な生衛業者は消費税申告に備えて課税仕入れの帳簿記録やこれを証明する請求書等の保存などに多大な事務負担を強いられています。
平成31年10月に予定されている消費税率10％のさらなる見送りと厳しい経営環境にある生衛業の経営に甚大な支障が生じないよう次のような配慮のある税制措置をお願いしたい。
⑴免税点の1千万円を平成16年以前の3千万円に戻す
⑵簡易課税適用売上高の5千万円を平成16年以前の2億円に戻す
⑶食品など生活必需品については軽減税率の適用範囲の見直し
⑷消費税転嫁対策に要する事務経費の一定額を税額控除の対象とする
⑸消費税の転嫁を容易にするため、外税表示を恒久化する
●相続税・贈与税に関する事項
⒊個人事業者及び中小企業者の事業用資産に係る事業継承時の減免措置などを講じてください。
個人事業者及び中小企業者は地域経済や雇用を支える重要な存在であり、個人事業者及び中小企業者が持つ役割を継続的に実現させ、持続的な発展を図るためにも事業継承の円滑化が必要です。
当業界は、職人の技術による業種・業態が多く、技術は親から子へと受け継がれますが、経営者の多くが高齢化しています。また、1店舗の営業収益では親子2世帯が生活できない店舗も多く、後継者となる子供がいても事業継承ができない場合もあります。
そのため、相続税等を納付する担税力が低いことから、厳しい経営環境にある生衛業の経営に甚大な支障が生じないよう、以下を配慮した税制措置をしていただきたい。
⑴小規模宅地等の特例の拡充（限度面積・減額割合の引き上げ）
⑵事業に供する建物・設備・機械等に対する優遇措置の導入
⑶法人の事業継承における納税猶予措置を減免措置とする
●生衛業全体に関する事項
⒋商業・サービス業・農林水産業活性化税制に係る特例措置の適用期限を延長してください。
中小商業、サービス業等の活性化のための投資に係る特別償却制度、税額控除制度について、適用期限を平成31年度末まで3年間延長していただきたい。
⒌生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設に係る特別償却制度の適用期限を延長してください。
生活衛生同業組合（出資組合に限る）及び生活衛生同業小組合が策定する振興計画に基づく共同利用施設に係る特別償却制度（取得価額の6％）について、適用期限を平成30年度末まで2年間延長していただきたい。
⒍生活衛生同業組合等の貸倒引当金の特例措置の適用期限を延長してください。
生活衛生同業組合等の貸倒引当金について、通常の場合の損金算入限度額の１１２％相当額を損金算入限度額とする特例措置について、適用期限を平成30年度末まで2年間延長していただきたい。
⒎中小企業投資促進税制を拡充及び延長してください。
中小企業者等が一定規模以上の機械装置等を取得した場合に特別償却または税額控除を認める特例措置について、一定のＩＴ関係投資に関する即時償却等の拡充を図り、適用期限を平成30年度末まで2年間延長していただきたい。
●各生衛業に関する事項
その他、公衆浴場業に対する相続税の特例措置、理美容店に対する相続税、贈与税の負担軽減措置、バリアフリー理美容店への助成措置、旅館・ホテル業に対する事業所税の軽減、入湯税の使途を鉱泉源の保護・管理に限定、耐震改修工事に係る旅館・ホテル業に対する固定資産税減額期間についても要望が出されました。
