平成22年10月7日 北海道・東北ブロック講習会 (主旨を要約)
「笑顔でおもてなし 五つの添え物」 講師:荘内銀行お客様相談室 接遇インストラクター 須佐 恵美 氏 商品ブランド力に負けないプロ意識
@見て認識できる差別化を。大切な第一印象
第一印象を決定する要因として、しぐさや態度、表情などの見た目が55%、聴覚に訴える発声、トーン、間の取り方等が31%、話の内容が7%という数値があります。
お店のスタッフが、実は社長以上に店の看板として決定的な印象をお客様に与えています。女性スタッフの髪形はきちんとしていますか?お辞儀をしたとき、両サイドの長い髪が顔を隠してはいませんか?気持は形として見せなければ相手に伝わりません。
Aステージの上で仕事をするよう意識する
身だしなみや行動にプラスして大事なのが笑顔。笑顔というのは、口角が上に上がるものですが、忙しい時などは、目が笑っていないことがあります。心を亡くすと書いて忙しい。忙しい時は、本来嬉しい悲鳴のとき。忙しい時ほど「ありがとうございます」という笑顔に、「お待たせしております。申し訳ありません」などの言葉を添えたいもの。
B聴覚へのアプローチ
トーンや間、声の抑揚で聴覚に訴えます。山を作る抑揚、谷を作る抑揚。山は明るい印象。女性は「ソ」の音階で発生し、男性は「ミ」の音。一方、谷はお詫びや不首尾にかかわる言葉で、トーンを下げます。
次に「間」。句読点のない話や一本調子ではなく、聞く側を意識した思いやりの「間」を。
お客様の満足の向上
顧客満足度の向上は永遠のテーマ。私の存在を認めてほしいというお客様の心理を満足させることが大切です。五つの添え物をすることで、お客様の心を満たしましょう。
@両手を添える
領収書やポイントカードなど、小さなものほど両手を添えて「本日のポイントです。貯めていただきますと、ドリンク一杯が無料となります」といった言葉を添えましょう。
A笑顔を添える(表情)
声をかけられたスタッフが、「はい、いかがいたしましたか?」と笑顔で振りむいて対応したら、歓迎ムードを伝えられます。ここでは、表情を添えることの大切さも強調します。先日私どもの銀行で、月末で45分も待たされたにもかかわらず、窓口の女子行員が申し訳ございませんという言葉は言ったが、申し訳ないという態度が全く伝わらなかったということで、立腹されたお客様がいました。言葉にふさわしい表情が添えられていたら、誤解を招かず心を届けられたのです。
B言葉を添える
携帯電話世代の若い人たちは、言葉を添えるのが苦手な人が多いようで、トラブルを招きかねません。例えば代金をいただくときは、無言ではなく「はい、○○○円ですね。ありがとうございます」と言葉を添えます。それが相手を思いやる心遣い。スタッフ同士でも声掛けのある職場は、お客様への対応力、接客力も高いもの。
C目線を添える
小さいお子様や車椅子のお客様には、しゃがんで目線の高さを合わせるようにします。また、お見送りのときの目の当て方にも注意します。
例えば銀行の窓口が混み合っている場合、支払われた現金を確認する間も与えられず、追い立てられる感じや、疎外感などを感じがちですが、「お客様、込み合っていますので、こちらにお掛けになってごゆっくりお確かめ下さい」という一言を添えたら、納得していただけるでしょう。また、お客様と目線が合ったとき、一秒でも長く目線をそのままに見守るだけで、しっかりお見送りをしてもらったという印象をお客様に与えることができます。
D心を添えてこそ
以上4つの添え物に、心を添えなければ行動することができません。相手の立場に立って行動するということが心を添えるということ。そうすれば、「お待たせして、申し訳ございません」、「只今ご注文のメニューをお持ちします」と、随所に適切な会話が出てきます。