生活衛生関係補助金
事業仕分け第3弾で、再度、一旦廃止と判定

 政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は、11月15日に実施した「事業仕分け第3弾」の後半日程初日の作業で、厚生労働省の「生活衛生関係補助金」を一旦廃止と判定。
 これまでの仕分けや各府省が実施した「省内仕分け」で廃止や見直しなど厳しい判定を受けた事業の「再仕分け」をした結果、判定結果の反映が不十分なまま概算要求などが行われている実態が浮き彫りとなりました。
 今後は、一旦廃止と判定された事業を、これから再度仕切り直しで、概算要求していく予定です。

行政刷新会議「事業仕分け」ワーキンググループA 評価コメント
事業番号A-5 生活衛生関係補助金(3)生活衛生関係営業対策事業費補助金

■評価者のコメント

● 単なる看板掛け替え事業なので、一旦廃止する。融資相談は、生活衛生営業指導センターで行う必要はなく、日本政策金融公庫で行えばよい。
● 基本的に看板の掛け替えに過ぎず、充分な効果測定もなされていない。全国生活衛生営業指導センターへの補助の必要性不明。生活衛生営業指導費補助金の経営指導については、
公開プロセスでの指摘に対処できておらず、必要性の論証もされていない。
● 金の流れについては一部中抜きを是正したのみで、本質的には変化がない。事業内容についても、ほとんどが組みかえで大きな差異がない。行政目的と因果関係の認められる成果目標が設定されていないのも同じである。以上により、実質的に看板掛け替えの明白な仕分け違反であり、必ず即時廃止すべき。今あげられている評価指標では、決して予算は認められない。
● 行政事業レビューでさえ廃止となっているにも関わらず、評価指標を検討しているだけで、事業内容の改善はゼロ。補助金の効果が全く不明確。
● 行政事業レビューで議論された内容が全く反映されていない。その時には、相談業務も1週間に数件程度であり、プロパーの職員を雇用して行うほどの需要があるのか、商工会や県の他の組織でできることではないのか、という指摘もなされたが、それらを検討したのか疑問。
● 各県や各支部から分担金や会費を徴収している範囲で運営が可能となるようにコスト削減に努め、国の補助としては行わない。
● 理容業界の組合支援が実体の補助金事業となっている。国民の常識的な理解では、この補助金は衛生管理の徹底によって国民の健康を守ることだろうと思うが、実際は特に飲食業に顕著であるが、開業資金の融資相談を受けるために飲食組合に加入し、それが自動的に生活衛生センターに結びつくということになっている。国民の生命を守るための衛生振興と各業種の経営支援は明確に分けるべきであり、前者については、衛生センターはその機能を果たしておらず、後者については、各組合自身が各地域の中小企業支援策で担保すべきものと考える。
● 生活衛生営業指導等業務は、各都道府県の事務であることから、国の関与はそもそも不要。
● 事業内容の精査が不充分。新たな枠組みがはっきりするまでは、予算計上すべきでない。行政の行うべきことは行政が行うべきではないか。
● 前回の事業仕分けの結果を受け、フレームを見直しただけで、構造は変わっていない。具体的な成果に結びつけるための施策が依然として確立されていない。来年度は予算化を見送り、具体的な成果指標の確立等を行うべきである。
● 「生活衛生振興助成費等補助金」「生活衛生営業指導費補助金」を廃止したが、「生活衛生行政刷新会議「事業仕分け」。
 関係営業対策事業費補助金」でほぼ同額を「つけ替え」しているにすぎない。「団体」への公費の流れを止めるものでもなく、計上は見送り。
● 成果指導等、現在検討中とのことなので、事業がどのように再構築されるのかよくわからない。再構築後の具体的な形がわかるまで、予算を1/3程度圧縮し、必要最小限の事業に限定して執行。

■WGの評価結果

生活衛生関係補助金(3)生活衛生関係営業対策事業費補助金 廃止
@国の事業として廃止 8名 
A来年度の予算計上は見送り 3名 
B予算要求縮減 0名 a 半額 0名、b 1/3程度を縮減 1名、c その他 0名 
C予算要求通り 0名

■とりまとめコメント

 集計結果を踏まえ、一旦廃止と判定させていただく。多くの評価者が指摘しているように、単なる看板の掛け替えとなっている。改革案を検討していることは説明いただいたが、予算要求している事業内容については、何ら見直しがなされていない、見直しは不十分であるという評価である。
 一旦と申し上げたが、評価基準や、国と県、商工会の機能分担も含めて改革案を検討していただいて、事業内容を見直した上で要求していただきたい。