厚労省と全飲連の意見交換会 法改正に伴うさまざまな取り組みや新規事業、
飲食業界が抱える課題に前向きに取り組む平成19年4月25日(水)、厚生労働省生活衛生課と、連合会における課題と要望事項等意見交換会が開催され、組合員加入への取り組みや新規事業、制度見直し等を含めた生活衛生課への要望、全国生活衛生営業指導センター・都道府県センターへの要望、平成20年度税制改正への要望、地域活性化施策への貢献についての要望や取り組み等について、意見交換がなされました。
1、組合加入促進の取り組み及びその現状について
1.組合加入への取り組み事例
多くの組合が独自に組合加入促進のためのパンフレット類(組合のしおり等)を作成し、本部及び地域におけるその支部に配布、中でも指導センター及び地域食品衛生協会等と連携をはかり、その窓口に設置をしているところもある。
組合員加入促進月間等を設け、その支部及び個人に奨励金等の制度を確立し、キャンペーンを実施している。
2.現状、成果等
パンフレット類の作成による新規開業者の取り込みは成功事例もあるものの、現状として、プラスの傾向にはない。理由としては脱退者との比率が問題となっている。
キャンペーンは効果的ではあるが、奨励制度は財政的にも厳しい。1組合員1人加盟運動が全国的にも浸透しつつある。
2、今後予定している新規事業
1.「食環境整備事業」
イ)食事バランスガイド普及啓発事業
健康増進及び生活習慣病予防において、食生活は重要な要因のひとつであることから、「健康づくりのための食環境整備検討会」が厚生労働省内に設置され、外食を担う立場から当連合会もそのメンバーとして参画した。飲食業界の役割として、国民の健康増進の総合的な推進を図るため、食育基本法等も鑑み具体的な事業が求められている。
昨年度、農林水産省により外食における原産地表示のガイドラインが策定されたことにより、消費者への安心・安全を提供する観点からも生活衛生振興推進事業を活用しながら、全国的に実施。しかし全力をあげたものの実施率は低調であるため、本年度も引き続きアドバイザーを育成しながら継続していく。
また新規事業として、食事バランスガイドによる国民の生活習慣病対策として外食が担う役割を消費者へわかりやすく示す等の普及促進を図る。
・実施/平成19年6月〜10月(回数6回)
・対象者/全国組合役職員及び組合員
・所要経費/未定
・その他/ガイドライン等、全国組合員に配布。周知活動として研修会等の実施
ロ)身障者補助犬受け入れ施設普及促進事業
本年は身障者補助犬法が改正され、全国センターにおいてガイドラインが策定されることからも、これらを充分活用しながら飲食店営業における同法への意識の向上を図り、同時に受け入れ体制の整備を行いその普及推進を行う。
・実施/平成19年6月〜10月(回数6回)
・対象者/全国組合役職員及び組合員消費者等
・所要経費/未定
・その他/ガイドライン等、全国組合員に配布。周知活動として研修会等の実施3、制度見直し等を含め生活衛生課への要望等
1.要望事項
イ)標準営業約款制度の対象業種の見直しについて
ロ)パート労働者の社会保険適用拡大について
ハ)厚生労働大臣表彰推薦枠の拡大
2.趣旨・要望理由等
イ)一般飲食業として認可された標準営業約款制度も2カ年が経過し、連合会においても推進に全力をあげているところではあるが、登録数は極めて低調の現状にある。
その要因の一つとして、対象業種が生衛法の規定による一般飲食に限定されており、組合の組織実態と整合していないことがある。例えば、中華料理店経営の組合員が登録を希望しても業種が異なるため認可されず、その地域においては中華組合も存在しない現況にある。将来的にみても、他の飲食業種の約款制度の確立は実現するかどうかは不透明であることから、当分の間組合の組織の実情に合わせた業種の申請があった場合の弾力的な運用を要望する。
ロ)パート労働者への社会保険適用拡大については、昨年来その適用範囲が中小零細企業(生衛業)まで拡大される懸念から、生活衛生課、中央会の適切な指導運動の成果により、今回は猶予されることとなったが、これも恒久的な適用除外となるよう今後も指導願いたい。
ハ)毎年実施される生活衛生功労による大臣表彰推薦枠は連合会推薦2名が現行基準とされており、会員数の割合からみてもその選考に毎年苦慮している。特に、本年度は50周年記念式典として弾力的な対応で配慮されているが、恒久的にそれが実施出来るよう要望する。4、全国生活衛生営業指導センター及び都道府県センターへの要望及び実施して欲しい事業
1.全国センター【地球環境問題に関する検討会等の設置】
地球温暖化防止策としてC02の削減をはかるため、今後飲食店等から排出される熱エネルギーにも規制等がかかることからも、環境推進事業等の積極的な対応を要望する。
2.都道府県センター【地域組合への適切な指導体制強化等】
地域組合への指導体制に温度差があり、経営指導体制を望む組合もある。5、平成20年度 税制改正要望
1.税制改正要望項目
イ)交際費課税
ロ)中小企業等基盤強化税制
2.趣旨・要望理由等
イ)交際費課税の損金参入限度額を全額まで引き上げてもらいたい。
ロ)厨房器具等の取得等に関する取得価格の特別償却または税額控除ができる。毎年度税制改正により、対象の縮小や廃止の向きが伝えられるが、可能な限りの存続を要望する。6、地域活性化施策への貢献等についての要望及び取り組み
【食育施策推進事業】
1.趣旨・内容等
先進地域においては食育推進の一環による、地産地消事業及び消費者に対する食の安心・安全を図るための諸事業を県財政当局への折衝により予算を確保しながらも毎年度実施している。
・分煙対策事業
・食事バランスガイドの普及による健康増進事業
・食品リサイクル推進事業
2.問題点、要望等
地域により同種の事業を展開したい希望があっても県により予算の確保が困難とされているため、交付税措置による生衛業の振興予算の確保を均一化できるよう要望する。7、他の生衛組合との共同事業の取り組み等の実情または可能性について
【酒類共同購入事業】
1.内容・要望等
・実情…全国社交飲食組合との共同による業務用韓国産焼酎を共同購入し組合員を対象に販売。昨年から実施の事業であるため、一部の地域での実施であるが、今後拡販予定。販売数量によりメーカーより組合へ奨励金が納付され、青年部育成資金等に充てている。
・可能性…飲食関連組合等が各都道府県単位や全国レベルで独自の食材等を協業化実施している現状から、配送システムを確立できるなら、可能性として全国的に参加することにより、全体のコストダウンに繋がるものと考えられる。8、将来ビジョンの内容及び具体的な事業等【飲食業振興における将来ビジョン】
1.環境の保全、食品循環資源の再生利用の推進
・食品リサイクルへの取り組み
・C02削減への対応
2.少子・高齢化社会への対応
・施設設備の改善
・ヘルシーメニューの開発
・配食サービス事業への参画
・食事バランスの啓発推進
3.食育への対応
・地産地消の推進
・地域食文化の継承
4.健康増進への対応
・受動喫煙防止対策への推進
・飲酒運転等の根絶
5.地域との共生
・まちおこし推進事業
・分野調整指導事業