2007年
酒類企業社長年頭挨拶
酒類企業社長から年頭挨拶が全飲連に寄せられましたので、その概要を抜粋して掲載させていただきます。
アサヒビール株式会社
代表取締役社長
荻田 伍新年あけまして、おめでとうございます。
平素は格別のご支援、お引き立てを賜り、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。
アサヒビールグループでは、国内酒類事業において新たな経営体制のもと、競争力強化を最大の課題として取り組んでまいりました。マーケティング本部を新設し、商品開発体制の刷新を行い、課題となっていました発泡酒・新ジャンルのカテゴリーへ「贅沢日和」「ぐびなま。」「極旨」を発売、商品ラインアップの再構築を図りました。「ぐびなま。」が当社計画を早々に達成したことをはじめ、「贅沢日和」は計画を上回る勢いで推移し、「プライムタイム」「極旨」も含めて、着実にお客様の評価をいただいております。これらの結果、ビール類の売上は微減にとどまったものの、ビール市場では過去最高シェアを更新する見込みであります。
総合酒類4カテゴリーでは、主力ブランドの売上を順調に伸ばし、トータルで前年実績を上回る見込みです。焼酎の「かのか」「さつま司」、低アルコール飲料の「カクテルパートナー」「旬果搾り」、ワインの「サントネージュ無添加シリーズ」「ルイ・ラトゥール」「パイパー・エドシック」「アルマデン」「ガンチア」など、大きく増やすことができました。2006年は「酒類事業の競争力強化に向けて、着実にステップが踏めた年」と考えております。
2007年は「スーパードライ」発売20周年となります。「スーパードライ」はお客様の声から生まれ、お客様のご支持によって、18年連続で1億函を超えるブランドへと大きく育てていただきました。20周年を迎え、あらためて原点に立ち返ります。
メーカーである私たちは、商品を通じてお客様のご支持・共感をいただき、お客様満足を追求していくことが使命であります。そのために、お客様との接点を大切にし、お客様の声を全社員が真摯に受け止め、絶え間ない経営改革を続けてまいります。そして、ビールへの関心が高まる中、「スーパードライ」のブランド価値を一層磨き、最大限に発信し、お客様との絆を強めてまいります。
発泡酒カテゴリーでは、お客様視点で見直し、新たな商品ラインアップを提案いたします。新ジャンルカテゴリーについては、既存ブランドの育成を中心に積極的な商品政策を展開してまいります。商品戦略はもちろんのこと、すべての企業活動において、「お客様視点」「アサヒらしさ」を大切にして全社員の一人ひとりが取り組んでまいります。
最後になりますが、今後も酒類業界の健全な発展に向けて、卸・小売の皆様とともに市場安定化に努めてまいります。本年も皆様のご理解とご協力を賜りたく、重ねてお願い申し上げます。
新年を迎え、業界の皆々様のご多幸と益々のご発展をお祈り申し上げます。併せて、弊社への倍旧のご支援、お引き立てを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
キリンビール株式会社
代表取締役社長
加藤 壹康平成19年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げますとともに、皆様より旧年中に賜りましたご愛顧、お引き立てに対しまして有難く厚くお礼申し上げます。
弊社は昨年の商品政策において、話題の新ジャンル商品である「キリンのどごし〈生〉」や発泡酒の「淡麗」ブランドが通年で、引き続きお客様の強いご支持を頂き、ビール・発泡酒・新ジャンルの総市場でも全体的にマイナストレンドが続く中、おかげ様で年初予定を上回る極めて順調な伸びを達成できたものと思われます。
その他、缶チューハイ市場を牽引し続ける「氷結」ブランド、一昨年に発売し、その品質に極めて高い評価を頂いた国産初のキリンブランドウイスキー「富士山麓」、また麦100%原酒を使用し富士の伏流水で仕上げた「麒麟麦焼酎ピュアブルー」、さらに世界No.1ブランドのワインとして国内でも躍進を続ける「フランジア」など、それぞれのカテゴリーにおけるブランド展開を積極的に加速いたしました。これらの商品ポートフォリオの拡充によって、総合酒類事業のさらなる発展に向け、企画提案型の価値営業や店頭マーチャンダイジング活動が従来にも増して確実に図られたものと考えております。
酒類市場への取り組みといたしましては、低価格競争により未成年飲酒問題を含む様々な弊害が指摘されているチューハイ類につきましても、本年年初より公正取引推進のための自主ガイドラインならびにオープン価格制度を導入し、業界の健全な取引環境の整備に不退転の決意で臨んでおります。
また、事業分野におきましては、昨年11月にワインや加工用酒類などで弊社にはない強みを持つメルシャン株式会社との戦略的業務提携を合意し、国内最強の総合酒類グループに向けてともに大きな第一歩を踏み出すことができました。
弊社のこのような一連の諸施策に対しましては、業界ならびに消費者の皆様から絶えず力強いご支援や励ましを賜りましたことをこの紙面をお借りいたしまして深く感謝申し上げる次第でございます。
そして迎えましたこの新しい2007年は弊社にとりまして創立100周年を迎える節目の年であります。私たちキリングループは100年もの間ご愛飲いただいてきたことに対するお客様への感謝の気持ちを決して忘れることなく、これからも絶えず「お客様本位」「品質本位」に心掛けてまいります。
このようにして次の100年に向けまして、私たちは高品質のモノづくりを通じ、おいしい、うれしい、たのしい生活シーンを喜んでいただきたいという熱い想いを、新グループスローガン「おいしいを笑顔に」のメッセージに込め、「信頼」と「躍進」の企業として皆様に認めていただけるよう、お客様との絆をより一層深めることに努めてまいる所存でございます。
何卒、皆様の倍旧のご愛顧、お引き立てを賜りますようよろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、皆様のますますのご発展とご健勝を心よりお祈りいたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
サントリー株式会社
代表取締役社長
佐治 信忠新年明けましておめでとうございます。
旧年中は格別なお引き立てを賜わり、誠に有難うございました。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年を振り返りますと、景気拡大局面は「いざなぎ景気」を追い越し、ゼロ金利政策が解除され、株価上昇が続く一方で、円相場は特に対ユーロを筆頭に円安が進み、輸出産業を中心にした企業業績は増益基調で推移、民需主導の景気回復が続いた年でもありました。
一方で、個人消費については、緩やかな回復基調にはあるものの、力強い足音を響かせるには、もう少し時間を要するものと考えられる1年でした。
そうした中、酒類食品市場におきましては、5月の「酒税改正」に引き続き、9月の「酒販免許完全自由化」と「酒類に関する公正な取引のための指針制定」がなされるという大きな動きがありましたが、業界の健全な発展に向けては、公正なルールの運用とその下での自由競争が必須と認識しています。市況的には天候不順も影響し、依然として総市場は厳しい状況ではありましたが、高付加価値商品による新しい市場創造の芽が出てきたといえる年でもあったと思います。
2007年の幕が開けました。
昨年の新酒税制度が長期的にどのような市場変化をもたらすかは、まだ見通しは出来ませんが、成熟化した酒類市場を取り巻く環境変化は更に加速し、お客様に本当に喜んでいただける魅力的な価値の提案が一層強く求められる年となるのは確実です。このような状況下のもと、私どもは、引き続き公正取引の遵守を推進し、酒類業界の健全な発展のためにより一層努力を重ねるとともに、新しい価値の提案を更に積極的に行ってまいりたいと考えております。
一昨年秋に、ビールと洋酒の事業部にプレミアム戦略部を新設、続いて昨年の年初には営業部門にもプレミアム営業部を創設し、高付加価値商品の開発や提案に積極的な活動を展開してまいりました。
また、昨年は、酒類部門ではシングルモルトをはじめとしたプレミアムウイスキーが伸長、また、モンドセレクションのビール部門で、2年連続最高金賞という栄誉に輝いた「ザ・プレミアム・モルツ」が大躍進、低アルコール飲料での「銀座カクテル」、また食品飲料部門では「黒烏龍茶」の大ヒット等、高付加価値商品の市場における確かな手ごたえを感じた年となりました。
本年度は、メーカーの原点ともいうべきR&Dをより強化し、更に高付加価値商品を創出することで、新たな需要創造を推進し、成長と飛躍を実現する年にしてまいる所存です。
本年も、コーポレートメッセージ“水と生きる“SUNTORY”の基本理念のもと、環境保全活動に更に真剣に取り組むとともに、企業としての成長を続けながら、積極的な社会文化活動を通し、誠実で信頼される企業、“Growing&Good Company”サントリーの実現に邁進したいと思います。
何卒、本年も倍旧のご指導とお引き立てを賜わりますよう、心よりお願い申し上げます。
サッポロビール株式会社
代表取締役社長
福永 勝皆様、あけましておめでとうございます。
旧年中は、弊社ならびにサッポロビール商品に格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。本年も引き続きまして倍旧のご支援ご指導を頂戴いたしたく、よろしくお願い申し上げます。
さて、昨年のビール業界では、新ジャンル市場と高価格ビール市場が活況を呈したものの、ビール・発泡酒・新ジャンル市場合計の総需要は前年を下回ったとみています。飲酒人口の減少、若年層の酒類離れといった長期的マイナス要因が懸念される中、従来にも増して新しい魅力ある商品開発をし、需要を喚起する必要性を強く感じています。
弊社は、昨年、おかげさまで創業130周年を迎えることができました。おいしいビールをつくるために創業当時から取り組んでいる原料へのこだわりは、130年の月日を経て、ビール・発泡酒などの主原料である麦とホップの100%協働契約栽培実現に結びつきました。
また、昨年は弊社にとって将来へ向けての「基盤構築」の年でもありました。新たに参入した「焼酎事業」では、甲類の「トライアングル」、本格焼酎の「和ら麦」「からり芋」など、原料や手づくり感にこだわった商品を上市しました。また、小ロット商品の生産効率向上並びに新価値提案力強化へ向けて、銀河高原ビール那須ビール園の製造設備を譲受けました。更に国際事業では、弊社の強みである北米市場を更に強化するため、カナダのスリーマン社が新たな拠点として仲間に加わりました。
ワイン事業では、国産ぶどう及び自社ぶどう園産ぶどうにこだわる、弊社国産ワインのフラッグシップ「グランポレール」シリーズの商品が、ジャパン・ワイン・コンペティションで最高の金賞を唯一4年連続で受賞するなど、その品質を高く認められ売上向上を果たしております。
本年も弊社は「新価値創造企業」を標榜し、サッポロならではの新しい価値を提案することで「お客様に喜ばれる商品づくり」を目指します。
ちょっと贅沢なビール「ヱビスビール」、デザインを一新する「黒ラベル」、新ジャンル市場のパイオニア「ドラフトワン」、発泡酒の「北海道生搾り」「雫」など、弊社ならではの個性的な商品群に加え、2月には新ジャンル新商品「うまい生」を発売します。しっかりとした飲みごたえやキリッとしたうまみに、お客様から高い評価を戴けるものと期待しています。また、昨年参入した焼酎事業においても、魅力ある品揃えを更に充実させる商品開発を行なうことでお客様のご期待にお応えしていきます。
本年も、お客様が望まれる価値ある需要創造型商品、その基礎となる研究開発に全力で傾注してまいりますので、本年のサッポロビールにますますのご支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。