全飲連平成17年度「振興推進事業」
改めて飲食店の衛生管理を見直す!

 全飲連では、平成17年度の「生衛振興推進事業」として、「飲食店の衛生管理」についての推進事業に取組みました。
 食の安全や飲食店の衛生管理に、消費者は大きな関心をもっています。調理設備や食器、厨房、食材、料理の衛生管理のみならず、飲食店施設全体の衛生管理や安全性が問われています。とくに最近ではトイレの衛生に関するお客様の関心は極めて高くなってきています。また、受動喫煙の防止対策がなされ、飲食店が「きれいな空気」に浄化されていることも、広い意味での衛生管理だといえます。
 私たち飲食業関係者は、何よりも「顔の見える」地域に根ざした飲食店として、「もてなしの心」に立脚した温もりのあるサービスの提供を行なうとともに、つねに衛生管理の基本に立ち返った飲食店経営に取り組まなければなりません。

飲食店経営と衛生管理
  衛生管理の行き届いた店と
安全な食事を提供することが、
経営の安定や売上の向上に直結します。

安全な食品を提供する(事故の防止)
 食中毒の発生は、直ぐにその情報が広がり、お店が長年にわたり築いてきた信頼やブランドイメージを低下させます。
 どんな繁盛店であっても、事故を起こせば一夜にしてお客様は来なくなります。特に複数の店舗を経営したりチェーン店では、事故を起こした1店だけでなく全店の信頼やイメージが低下してしまいます。

 

売上げの増加  
 衛生的でお客様に安心感を与える店づくりは、お客様の信頼を得ることができ、好印象を与え、大きな集客効果となります。衛生管理を積極的に行っている店は必然的に従業員の衛生意識も高まり、お店の雰囲気自体が衛生的になるのです。来店するお客様は店のそのような姿勢や雰囲気を敏感に感じとります。
 衛生的な店づくりは、料理そのものとともに、飲食店の大きな広告宣伝活動でもあるのです。

 

利益を出す
 飲食店の衛生管理や食品リサイクルは、飲食店経営の『ムリ・ムラ・ムダ』の発見を促します。そして、省エネルギーやコストの削減にもつながり、結果的に利益を生み出します。その意味で、衛生管理への取り組みは、経営管理と一体のものです。

 

飲食店衛生管理のチェックポイント

 飲食店の衛生管理や清掃の場所は、@お客様の目に触れる場所、A従業員だけが目に触れる場所、Bどちらからも見えない設備や器械の内部の3カ所に分かれます。自分の店で毎日仕事をしていると慣れてしまい、汚れていても汚れを意識しなくなります。 
 飲食店衛生管理や清掃のチェックポイントとしては、次のようなものがあげられます。

お客様の目によく行き届く場所の清掃
 自分がお客様の立場に立って自分の店を見てみましょう。  
 看板、店舗外観、ガラス窓、入口の暖簾、ショーケース、店舗内の通路、天井、桟の上、客席から見える厨房、バックヤードの倉庫、客席テーブルの上・下のゴミ、灰皿、椅子の汚れ、メニューブックの汚れ、従業員の制服の汚れ、ダスターや清掃用具の汚れ、出された水のグラスの汚れ、料理の皿の汚れ、フォーク・ナイフの汚れや曇り等、繊細な目でチェックしてみましょう。

お客様が気にする場所の清掃
 厨房や倉庫はお客様が案外気にする場所です。それは見えない部分が多いからです。単に清掃が行き届き綺麗にするだけではなく、洗浄殺菌などの衛生対策がきちんと施されているかが重要です。特に食材が直接触れる調理機器や調理台は汚れたら直ちに清掃殺菌しましょう。また、開店前と閉店後も洗浄殺菌をして乾燥させることが大事です。  
 冷蔵庫や冷凍庫などの内部、製氷器内部も温度が低いから大丈夫と放置するのではなく、定期的に(1ヶ月に1回)洗浄殺菌することが必要です。

お店で働く人の 心 得
 店内で働く従業員の服装やユニフォームの定期的な交換や、最低30分間に一回の手の洗浄殺菌は欠かしてはなりません。また、装飾品、腕時計、指輪、ピアス、イヤリング、ネックレス等の着装、爪が短く切れていない、爪にマニキュアをしていること等も清潔感を損ねることがあります。

衛生管理に必要な器械の清掃  
 エアコンや冷蔵庫・冷凍庫の室外機、冷却機器のコンデンサー、その他器械の内部の定期的な清掃は、器械の取扱説明書に従って定期的に汚れの度合いを見て清掃しましょう。
 いくら器械の外観が綺麗でも内部が汚れていると正常に作動せず、食品が腐敗、食中毒の原因となることもあるのです。また、器械の不調音などは、お客様の居心地を悪くします。

●きれいな空気
 空気のきれいな店舗、禁煙・完全分煙など、お客様の「健康」を守る店づくりが必要です。

● トイレ  
 今や飲食店のトイレ衛生管理は、飲食店経営を左右するほどお客様の関心が高くなっています。ある意味飲食店のトイレは「飲食店の衛生管理に関する姿勢が象徴されている」とお客様から認識されているようです。お客様から見えない部分の衛生管理に対する飲食店の姿勢や対応を映す鏡がトイレ≠ノなっているのです。