全国の組合活動の話題
静岡飲食

県内13カ所で食品リサイクル研修会

環境にやさしい飲食店づくり

 静岡県飲食業生活衛生同業組合(森川進理事長)では、昨年の「受動喫煙防止対策」に引き続き、今年度は、食品リサイクル法で定められたゴミの減量化に取り組んでいくために、静岡県内13カ所で「環境にやさしい飲食店づくり」をテーマにした研修会を開催しました。
 森川理事長は「世界的にも環境問題が取り上げられて、温暖化が進み地球環境が破壊されているといわれていますが、そんな中、私たちも飲食店で取り扱うごみの20%減量を否応無しにやっていかなければなりません。これからは飲食店営業をしていく中で、環境や食の安全・安心への取り組みは当たり前のことです。しかし、大変な努力が伴うことだと思います。今回の研修会の話を真剣に聴いていただいて、自分のお店や組合の発展につなげていってほしいと思います」と各会場で挨拶しました。

食品リサイクル法
平成18年度までに20%の実施率達成が目標!

 生活様式が多様化し、消費意識も大きく変わる中で、過度の鮮度志向などにより、生産・流通段階では大量の食品が廃棄されています。また、消費段階では大量の食べ残しが発生し、多くの食品にかかる資源が浪費されています。廃棄物をめぐる状況は深刻化しており、これらがもたらす環境への負荷は大きな社会問題になっています。また、食料の多くを輸入農産物に依存している我が国が、大量の食品を廃棄することはそれ自体が深刻な問題でもあります。
 食品リサイクル法は、こうした状況を背景に、食品廃棄物の発生を抑制するとともに、食品循環資源の有効利用を促進することで、環境への負荷を軽減しながら持続的な発展ができる循環型社会の構築を目指して制定されました。
 食品産業から排出される食品廃棄物は年間約1千百万トンです。食品循環資源の再生利用等の取組状況は全国で37%となっているものの、個々の食品関連事業者は再生利用等の実施率20%の目標達成に向けて、また既に目標を達成している事業者は実施率の維持向上に向けて取り組む必要があります。ちなみに外食産業からは年間320万トンが排出されています。(平成14年食品循環資源の再生利用等実態調査報告・農林水産省統計部より計算)

ゴミの減量化は、先ずは発生抑制から

 今回の静岡県の研修会の講師は、環境省環境アドバイザーの片亀光氏ら4名の講師の方々により開催され、平成19年3月末までの20%の実施率達成に向けて、まずは発生抑制から手がけることが提起されました。
 ポイントは、水切り。これだけでかなりの効果があります。素材を厳選して、分別をきちんと行い、発生抑制すれば平成18年度までに20%削減が十分できると講師は指摘していました。


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群馬飲食
  優秀作品「ゴロピカリ鍋」  

群馬にふさわしい、集客力のある〈新メニュー開発事業〉
「地域に密着した店づくり」をめざす


「話題性のある」「人が呼べる」メニューが鍵

 群馬県飲食業生活衛生同業組合(加藤隆理事長)では、経営革新・技術開発のための事業として、3年前から青年部を中心として県内産食材を使った新メニュー開発事業を行ってきました。今年度はこれまでのメニュー開発を一歩進め、「集客力のある新メニュー開発」に主眼をおき取り組みました。
 群馬県は、自然に恵まれた食料の供給基地で、四季に応じさまざまな食材が数多く産出されています。中でも古くから粉=小麦粉の食文化が代表とされていますが、残念ながら群馬の粉は、「讃岐うどん」や「稲庭うどん」のように全国的にメジャーな名産料理がないのが現状。
 そこで、中食に押され気味で、外食産業に元気がなく依然景気の低迷した飲食業界には、新鮮な食材の宝庫である群馬にふさわしい、独自性の高い、集客力のある新メニュー開発事業こそが急務と考え、この事業に取り組むことになりました。
 まず青年部会を中心に委員会を作り、1.ビジター・観光客向け、2.地域に密着した店づくりを目的とする高齢者・ヘルシー志向。この二つのテーマでメニュー開発に取り組むことになりました。そして、メニュー作りのポイントを1.地域の素材(農畜産品)や伝統的料理法を生かした新メニューであること、2.健康を考えたヘルシー志向のニーズに対応したものであること、3.商品価値を高めるネーミングの考案、4.サービス・提供方法の工夫(盛付け方、食べやすさ、サイズ・量、見た目)の4点としました。
 
新メニュー作りはマンネリ打破のヒントとなる!

 8月に組合員を対象に募集を行い、9月、1次書類審査を通過した27作品を決定し、さる11月24日、第2次試食審査と試食を行いました。
 審査には、群馬県くらしの会連絡協議会、群馬県食生活改善推進員連絡協議会、県保健福祉食品局・農業局、(財)群馬県生活衛生営業指導センター、(社)群馬県畜産協会、東日本調理師専門学校、全国飲食業生活衛生同業組合連合会、高崎商工会議所、地元マスメディアら約60名を招き、組合役員・組合員など総勢100名での試食会となりました。審査結果は次の通りでした。

■最優秀賞「地域の素材や伝統料理法を生かしたメニュー」部門(同点のため3名)
「彩秋和え(さつまいもと柿の白和え)」松田和典(高崎支部)
「箕郷町の和牛のたたき わさびドレがけ」宮本 守(高崎支部)
「ゴロピカリ鍋」阿部正孝(伊勢崎支部)
■最優秀賞「健康ヘルシー志向ニーズに対応したメニュー」部門(同点のため2名)
「ヘルシーこん豚」清水由貴江(太田支部)
「竹寄せとうふ 絹かぐや」安中アキエ(高崎支部)
■優秀賞「商品価値を高めるネーミング」部門
「竹寄せとうふ 絹かぐや」安中アキエ(高崎支部)
■優秀賞「サービス・提供方法の工夫」部門
「生野菜の豚バラ スライス巻き」石井栄子(高崎支部)

 今後は、委員会によりレシピ集を作成、全組合員に配布するとともに、地元産農畜水産物の調査研究、アンケート調査・結果などとともに報告書を作成する予定です。