一般飲食店営業に関する標準営業約款の概要

1、役務の内容または品質の表示
(1)営業者は、提供する役務の内容又は商品品質について、次の事項に基づいて店頭又は店内に表示することになっている。
○1.主な商品の表示:消費者の注文が多いもの、営業者が積極的に広告するものを表示
○2.アピール食材の表示:消費者に栽培方法、生産地等でアピールしたい食材を必ず1つ以上選定し表示
○3.消費期限等の表示:仕出し弁当等営業施設外で飲食する商品は消費期限、製造年月日を表示
 4.調理師の表示:調理師を営業施設に配置したときは、氏名を表示
(2)営業者は、消費者に役務の内容又は商品を堤供するに当たって次の事項を行うことになっている。
◎1.消費者の接遇向上・改善:サービスマニュアルの策定、調理担当者等の研修会への参加
◎2.情報通信技術の活用:予約システムの導入に努める
◎3.宅配サービスの実施:積極的に取り組み、社会福祉の一翼を担うよう努める
◎4.食品廃棄物の減量化及びリサイクルの推進

2、施設または設備の表示
(1)営業者は、提供する施設又は設備について、次の事項に基づいて店頭又は店内に表示することになっている。
○1.営業施設の衛生管理状況:月1回の自主点検と結果の表示
◎2.営業施設の外国語又はローマ字表記
(2)営業者は提供する施設又は設備について、次の事項を維持・管理することになっている。
◎1.営業施設のバリアフリー化の推進:障害者や高齢者のために出入口、通路の拡大、車イスを置くスペースの確保など
◎2.受動喫煙防止の推進:禁煙分煙(時間帯分煙を含む)に努める
 (○は義務付け、◎は努力義務)

3、損害賠償の実施の確保
(1)消費者等の身体に障害又は財物に損害を与えた場合は、全国指導センターが定める「めん類飲食店事故賠償基準」に基づいて賠償する必要があります。
 この場合、消費者のみならず、一般歩行者等が例えば看板等の損壊により損害を受けた場合も賠償の対象になります。
(2)損害賠償の対象は次の4つのケースです。
ア、業務の遂行に起因する事故
イ、一般飲食店の施設又は設備の管理の瑕疵に起因する事故
ウ、食中毒に起因する事故
エ、消費者からの受託物の管理に起因する事故
(3)賠償額の算定は、次の各号に定めるところに従って行うようにしています。
ア、身体に対する事故賠償額
 ア)治療関係費/治療のために要した費用
 イ)休業損害/傷害の治療のために休業し、収入減があった場合等
 ウ)逸失利益/後遺障害又は死亡により生じた将来の得べかりし利益額
 エ)慰謝料/後遺障害、死亡又は傷害により生じた精神的損害
イ、財物に対する事故賠償額
 財物に対する賠償額は、原則として被害財物を最初に購入した価格(不明の場合は損保会社が査定する)に被害財物の平均使用年数及び購入時から事故発生時までの経過月数に対応して定める一定の割合を乗じて算定することとしており、定型的な事故処理が可能となっています。
 例えば平均使用年数3年の製品(夏物背広、素材毛等)を10カ月間着用したとき事故が起きた場合は、一般には、最初に購入した価格の86%が賠償額となります。
ウ、以上の損害賠償の確実な実施を図るために全国指導センターが定める賠償責任保険普通約款(店舗特別約款及び委託物担保特約条項を含む。)に準拠して運営される保険制度に加入することが必要です。
 また、全飲連が実施している「総合賠償責任保険」に加入していればよいことにしております。
 賠償責任保険普通約款等に加入する際の補償金額は次に示す基準額以上のものでなければなりません。

■事故区分に対応した補償限度額

事 故 区 分 補償限度額
1.業務の遂行に起因する事故 対人・対物1事故あたり1億円
2.施設又は設備の瑕疵に起因する事故
3.食中毒に起因する事故
4.受託者の管理に起因する事故 1事故あたり10万円

(4)全国指導センターに学識経験者等からなる事故賠償審査委員会を置いて事故賠償に関して被害者と営業者との間に生じた紛争を審査することにしています。

4、標識等の掲示
(1)登録を受けた場合は、全国指導センターが定める約款標識を営業施設の店頭又は店内の利用者の見やすい場所に掲示しなければなりません。
 標識の有効期限は、登録の有効期間と同一で3年となっています。ただし、維続して登録する場合は5年です。
(2)消費者の便宜等を考慮して、標識と併せて約款に従って行われる役務の内容等の要旨を掲示板に表示しなければなりません。
(3)約款の中で定めはありませんが、消費者の利便性を高めるため、標準営業約款登録店店頭表示用ステッカーを店頭の見やすい箇所に表示(貼付)することにしています。
(4)登録店の中で「努力義務」となっている営業施設のバリアフリー化の推進及び受動喫煙防止の推進(禁煙・分煙〈時間帯分煙を含む〉)を既に実施済みであるときは、実施済み表示ステッカーを店内又は店頭の見やすい箇所に表示(貼付)することにしています。

5、登録に要する費用
(1)標準営業約款に従って営業を行いたい一般飲食店はだれもが登録の申請をすることができます。
 登録の申請は、地元の都道府県指導センターに対して行います。
 登録申請書及び添付書類の用紙は、各都道府県指導センターに備え付けてあります。
(2)登録手数料は次のとおりです。(営業施設ごとに1件です)
 一般飲食店/1件当たり6千600円
(3)標識、要旨の掲示板及び各種ステッカーの料金は次のとおり、実費をいただきます。
 標識/1個当たり1千330円
 掲示板/1個当たり720円
 店頭掲示用ステッカー/1枚100円