グルメの旅 豆知識

九州新幹線開業にあわせて、新しい鹿児島名物を開発
仕掛け人は黒川雅夫鹿児島県理事長

黒豚使った「わっぜえか丼」

 九州新幹線開業を契機に、鹿児島の新名物料理に育てようと開発された「黒豚わっぜえか丼」。鹿児島特産の黒豚を使うことテーマに、県内の約四十店がそれぞれ特徴を出して、オリジナルの「黒豚わっぜえか丼」を作っています。「わっぜえか」とは、鹿児島弁で「すごい」という意味だそうです。
 この鹿児島の新名物づくりの仕掛け人が、鹿児島県料飲業生活衛生同業組合の黒川雅夫理事長です。
 「新幹線開業に向けて、鹿児島県料飲業生活衛生同業組合(750組合員・県下19支部)は、それぞれの店が別なものを作るのでなく、地元鹿児島の黒豚とお米と丼があれば、和食のお店でも、中華のお店でも、洋食のお店でも麺のお店でも、それぞれ自分のお店なりの自慢の味付けで黒豚丼を作り、お客様をお迎えできるのではとの思いでこの試みに取組みました。
 また、天丼、カツ丼、うな丼、牛丼、親子丼の日本の名物五大丼、そして、北の海鮮丼に次ぐ新しい第七番目の丼を目指したい」としています。
 黒豚わっぜえか丼は、最初ご飯を半分ほど入れ、さつま地鳥の味つけミンチを挟み、その後またご飯を乗せ、最後にキャベツの千切りをのせて、熱々の黒豚のピリカラたれ焼きをのせるものです。
 丼ものはいつも上にのせてある具がなくなり、ご飯だけが残り寂しい思いをするので、そこを二重にすることを考え生み出されました。
 この丼の場合は途中まで食べると、さつま地鳥そぼろが出てきて、「こやなんよ、わっぜーか」という鹿児島弁での驚きのネーミングです。
 また「黒豚丼味噌味」は、鹿児島のラーメンに味噌味やしょうゆ味、塩味などがあるように、黒豚丼にも味噌味と思い、特製のあわせ味噌で漬け込んだ黒豚で作ったものもあります。
 「新幹線開業により、単にお腹を満たすだけでなく、今までの顧客とは別なお客様をたくさん迎え、少しでも不景気な飲食店の売り上げアップと面白い鹿児島、元気な鹿児島を打ち出し、個々のお店がこの黒豚丼に県下のうまい素材を組み合わせ、名物の一品にした」黒川理事長は情熱を注いでいます。
 この黒川理事長と鹿児島県料飲業生活衛生同業組合の「黒豚わっぜえか丼」の話題は、去る4月18日の読売新聞の「人間ライブ」でも取り上げられ、大きな反響を呼びました。
 この「名物作り」に賛同する店は次々と現れ、黒豚、キャベツを一番上に使うことは同じでも、二重構造の中身は各店で違い、「わっぜえか丼」は独自性豊かな名物になりつつあります。
 九州新幹線一部開業を機に「鹿児島の新名物料理にしよう」との意気込みで開発された「黒豚わっぜえか丼」は、飲食店組合の新しい事業として、また地産地消のモデルとして注目されています。


大阪で全国のご当地麺を味わう
大阪ヌードルシティ 浪花麺だらけ

 昨年の10月7日に大阪の新しい商業施設「なんばパークス」がオープンしました。その7階に『大阪ヌードルシティ・浪花麺だらけ』というフードテーマパークがあります。
 お洒落な「なんばパークス」の中で、懐かしさやアジアンチックな雰囲気を感じさせる不思議な空間に、北海道から九州までご当地麺の名店10店が出店されています。出店中のお店は、定番にして王道の系統から、知られざる逸品まで、ご当地麺の魅力を充分に味わえ人気を博しています。
 これに加えて、日本初のミュージアムショップ「ご当地麺博物館」が併設されています。この日本初の「ご当地麺ミュージアムショップ」では、日本全国のインスタントラーメンや、カップ麺、うどん、そばなど、さまざまなご当地麺を600種類以上販売しています。お土産麺はもちろん、名店の味を再現したラーメンや、そば入りアイスといった変り種まで、バラエティに富んだ品揃え。ラーメンやそば、うどんなど、麺に関する本もたくさん揃っています。
 ここ近年「浪花麺だらけ」のような食をテーマにした施設が次々にオープンしています。そして着実に集客を増やし話題を集めています。これは、食べることをエンターテインメントとして展開することで、新しい外食ビジネスを創造し成功を生み出したといえます。食をめぐっては地産池消や食育などが関心を高めていますが、一方で「食を楽しむ、食を遊ぶ」といったことも、食文化にとっては大切なことです。
 「大阪ヌードルシティ・浪花麺だらけ」
なんばパークス7F、開館時間11時〜23時(季節により変動)、南海電鉄なんば駅中央口・南口直結、TEL(06)6646-0765