グルメの旅 豆知識
手づくりハンバーガーの街 佐世保
マクドナルドの日本上陸よりずっと早く
前号の「グルメの旅・豆知識」では、横須賀の海軍カレーを紹介しましたが、横須賀市と同様にかって海軍鎮守府がおかれていた長崎県佐世保市では、若者の食文化の代表ともいえる「ハンバーガー」が有名です。
ハンバーガーが日本に入ってきたのは、昭和46年のマクドナルドの日本上陸にはじまります。しかし佐世保では既に昭和20年代後半に和製ハンバーガーが登場していました。当時、アメリカ海軍から直接レシピを聞いて作り始めたのがはじまりで、外国人バー街を中心に、基地の外には、たくさんのハンバーガーショップが並んでいたそうです。
以来、「ハンバーガー」は佐世保流のアレンジを受け、佐世保の味として育ってきました。手作りにとことんこだわり、守り継がれてきた「佐世保伝統の味」で、今は県内外にまでファンを広げています。現在では、市内に12の手作りハンバーガーショップがあり、大手ハンバーガーショップでは味わえない伝統の味を楽しむことができます。
佐世保市では「アメリカ文化」をキーワードにしたまちづくりが進められ、ハンバーガー店や外国人バー、ジャズバーなど米軍が駐留することで生まれた独特の文化を観光の目玉にしようといています。
佐世保観光コンベンション協会では「手作りハンバーガー」マップを制作。佐世保の「手作りハンバーガー」を求め、わざわざ福岡や佐賀などから食べに来る人もいるほどです。
発祥地はどっち?「肉じゃが」の舞鶴と呉
家庭料理の代表として馴染みの深い「肉じゃが」は、海軍がその発祥であると言われています。東郷平八郎が、イギリス留学中に覚えた「ビーフシチュー」の味を再現しようとしましたが、材料の赤ワインが調達できず、仕方なく日本風に醤油と砂糖で味付けしたのが「肉じゃが」のはじまりと言われています。
東郷平八郎はイギリス留学後、呉に参謀長として、その後舞鶴には鎮守府長官として赴任しており、舞鶴市、呉市の両市はそれぞれ東郷元帥が在市した際に「肉じゃが」を作ったとして、両市が発祥地争いをしています。
舞鶴市では、平成7年に市民有志が「肉じゃがまつり実行委員会」を結成。「まいづる肉じゃがまつり」を開催し、肉じゃが発祥の地宣言をしました。肉じゃが発祥のきっかけとなった英国ポーツマスに市民訪問団を派遣するなど活発にPRを進めています。
呉市では、平成10年の「第5回くれ食の祭典」で海上自衛隊の協力で、海軍のレシピを忠実に再現しました。「呉発?東郷さんの肉じゃが」というおみやげ用のレトルト肉じゃがも発売。ジャガイモには、型くずれしにくいメイクイーンと肉には地元広島牛を使用しています。