厚生労働省が年金制度改革案を提示
パートタイマーの社会保険適用拡大問題
週の所定労働時間が20時間以上の者に適用
厚生労働省は11月17日に「持続可能な安心できる年金制度の構築に向けて」と題して、年金制度改革案を発表しました。
年金改革は飲食産業に多大な影響を及ぼすことが懸念され、全飲連も「パートタイマーの社会保険適用拡大問題」に対し、反対姿勢を掲げ全力で取り組んでいます。
今回提示された政府の年金制度改革案では、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大にあたり、週の所定労働時間が20時間以上の者を基本に適用するとしています。
以下その概要を紹介します。
短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大等
○短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大を図る。その際、経過措置等一定の配慮を行う。
○週の所定労働時間が20時間以上の者を基本に適用する。
○保険料負担については、特別な低い標準報酬区分を設定して適用する。
被扶養者の給付は行わない。
(1)適用拡大の必要性
就労形態の多様化に対応し、年金制度についても」個人の働き方や雇用形態の選択に中立的な仕組みとし、個人が十分能力を発揮していくことができるよう、また、被用者としての年金保障を充実させる観点から、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大を図る。
その際、適用拡大による雇用への影響、短時間労働者を多く雇用する産業・企業に与える影響、事務負担や保険料負担の増加等を踏まえて、経過措置等一定の配慮を行う。
(2)適用基準の在り方
適用拡大後の適用基準については、雇用保険と同様に、適用事業所における週の所定労働時間が、一般的な正規労働者の週の所定労働時間の半分程度である、20時間以上の者を基本とする。
(3)給付と負担の在り方
・新たに適用される短時間労働者についての給付と負担の在り方については、短時間労働者は比較的低い賃金で就労している者が多いことから、保険料負負担については、現行の標準報酬の下限(月額9万8,000円)とは別に特別な低い標準報酬区分を設定して適用する。
給付については、被扶養配偶者の給付は行わない。
・短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大に合わせ、標準額酬の算定基礎日数(現在、標準報酬の定時決定等に当たり、3か月のうち報酬支払の基礎日数が20日以上の月を算定基準とすることとされている。)について、実態を踏まえて見直す。
(4)派遣労働者
派遣労働者については、特に登録型の派遣労働者について、社会保険の適切な適用を進めていく必要がある。登録型の派遣労働者は、派遣先が変わる都度、厚生年金保険の資格取得の届出等を行わなければならないことから、事業主・労働者の事務負担の藤軽減を図るため、事務手続きの簡素化を図る。