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ピーク時より約3.5兆円 マーケットが縮小平成14年外食産業市場規模推計
(財)外食産業総合調査研究センターが発表
(財)外食産業総合調査研究センターは、4月24日に平成14年外食産業市場規模推計を公表しました。センター推計の「平成14年外食産業市場規模推計値」によると、家庭での1人当たりの外食支出金額は5年ぶりに増加したものの、長引く不況の影響で法人交際費は依然として減少しているため、前年より1.1%減少し、25兆5,749億円となりました。ピーク時の平成9年から比べると約3.5兆円外食マーケットが縮小していることになります。
平成元年からの市場規模の推移をみると、平成元年が23.5兆円で、平成5年(27.8兆円)まで毎年増加しました。平成6年には27.7兆円と若干減少しましたが、平成7年以降増加に転じ、平成9年には29.1兆円と最も市場が拡大しました。しかし、平成10年からは減少に転じ平成14年まで5年連続で減少しています。
増減率をみると、平成元年が4.1%の増加でしたが、バブル景気の影響もあり平成2年には9.4%の増加と増加率が大きく拡大しました。しかしその後増加率は縮小し、平成6年には市場規模の推計を開始して初めて前年実績を下回り、平成7年から9年にかけては増加しましたが、平成10年以降毎年前年実績を下回って推移しています。
各部門ごとの市場規模については以下の通りです。
1、外食産業の市場規模
1、給食主体部門
飲食店、宿泊施設、社員食堂、病院給食などを含む「給食主体部門」の市場規模は、20兆1,646億円で前年より0.1%減少し、外食産業市場規模全体の78.8%を占めています。
(1)営業給食
「給食主体部門」のうち、飲食店、宿泊施設などの「営業給食」の市場規模は、16兆3,720億円で前年より0.1%減少し、全体の64.0%を占めています。
1.「飲食店」(注2)の市場規模は、前年より0.5%増加し、12兆4,829億円となりました。このうち和・洋・中華全てのメニューを揃えるファミリーレストランや定食屋などの一般飲食店、日本料理店、西洋料理店、中華料理(ラーメン店含む)、その他の東洋料理店(焼肉店を含む)等を含む「食堂・レストラン」(対前年0.9%増加)、「そば・うどん店」(同0.2%増加)で増加、ファーストフードのハンバーガー店、お好み焼き店等を含む「その他の飲食店」(同0.0%)で横ばい、回転寿司を含む「すし店」(同1.5%減少)で減少しています。
2.ホテル、旅館での食事、宴会などの「宿泊施設」の市場規模は、ホテル関係では稼働率の上昇傾向がみられましたが、旅館関係で、稼働率は底打ち傾向にあるものの、施設数、宿泊者数の減少、宿泊単価の低下などにより全体として前年より2.2%減少しました。
(2)集団給食
「集団給食」の市場規模は、3兆7,926億円で前年とほぼ同じ(対前年増減率0.0%)で、全体の14.8%を占めています。
1.「学校給食」(大学の学生食堂は含まない。)は、児童数の減少から引続き前年実績を下回り前年より1.1%減少しました。
2.「事業所給食」については、就業者数の減少、飲食店等との競合などにより「社員食堂等給食」(対前年0.9%減少)、「弁当給食」(注3)(同2.9%減少)とも減少しました。
3.「病院給食」は、平成12年までは厚生省の公表数字を採用しましたが、平成13年、14年については未発表なので、「社会医療診療行為別調査報告」などを利用して外食総研が推計し、それぞれ0.7%増加、2.8%増加となりました。
4.「保育所給食」は、園児数の増加により前年より3.1%増加しました。
2、料飲主体部門
「料飲主体部門」の市場規模は、5兆4,103億円で前年より4.7%減少し、外食産業市場規模全体の21.2%を占めています。
(1)「喫茶店」は、1兆1,415億円で、前年より3.9%減少しました。
(2)「居酒屋・ビヤホール等」及び「料亭・バー等」は、家計の世帯員1人当り(外食での)飲酒代の支出が減少し、さらに法人需要も減少したとみられることから、全体としては前年より4.9%減少し、それぞれ1兆1,304億円、3兆1,384億円となりました。
2、料理品小売業の市場規模
持ち帰り弁当店や惣菜店、テイクアウト主体のファーストフードなどの「料理品小売業」(注2、注4)の市場規模は、5兆8,070億円で、対前年0.5%の増加となりました。
また、コンビニエンスストアの店舗の3分の1程度は、「料理品小売業」に属するので、それらの店舗の売上高はここに含まれます。
3、広義の外食産業市場規模
外食産業市場規模に「料理品小売業(重複する弁当給食を除く。)」(注5)の市場規模を加えた「広義の外食産業市場規模」は、30兆7,430億円で前年より0.8%減少しました。
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※なお、外食産業の分類は、基本的には「日本標準産業分類」に準じていますが、一部、最近の業態の変化を考慮してわかりやすく表現したものあります。
(注1)平成12年、13年の市場規模については法人交際費等の確定値が出たため修正している。
(注2)飲食店でのテイクアウトの売上比率が全売上高の50%未満の場合には、その飲食店の売上高はすべて「飲食店」の市場規模に含まれ、50%以上の場合にはすべて「料理品小売業」の市場規模に含まれる。
(注3)「弁当給食」とは、契約により弁当を事業所に配達する形態をいい、持ち帰り弁当などは含まない。
(注4)料理品小売業の中には、スーパー、百貨店等の売上高のうちテナントとして入店している場合の売上高は、Uの料理品小売業の市場規模に含まれる。しかし、多くのコンビニエンスストア及びスーパー、百貨店が直接販売している惣菜、弁当などの売上高は、統計分類上、コンビニエンスストアは「その他の飲食料品小売業」に、スーパーは「各種商品小売業」に、百貨店は「百貨店」として分類され、「料理品小売業」には該当しないため含まれない。
(注5)「事業所給食」にも計上されている「弁当給食」の売上げを除いた料理品小売業の市場規模は、5兆1.681億円(対前年増減率0.9%増加)となる。
財団法人外食産業総合調査研究センター(URLhttp://www.gaishokusoken.jp)