盲導犬　介助犬　聴導犬　
身体障害者補助犬法が施行

不特定多数の人々が利用する施設（レストラン等）は
１年間を周知期間とし、平成15年10月より施行

「身体障害者補助犬法」が本年10月１日に施行されました。
　身障者補助犬（盲導犬、介助犬、聴導犬）を育成し、身障者にさまざまな施設を利用してもらうことで、その方々の自立や社会参加の機会を増加させることを目的としたもので、不特定かつ多数の者が利用する施設における身障者補助犬の同伴にあたっては、施設を管理するものはその利用を拒んではいけないこととなりました。
　ただし施行期日については、公共施設及び公共交通機関を除き平成15年10月１日からの施行となります。

●身体障害者補助犬法について
　我が国においては、障害者の日常生活を支援する動物として「盲導犬」が約900頭実働しており、皆さんに広く知られていますが、道路交通法による規定しかなく、宿泊施設や飲食店で同伴を断られることがあります。
　また、「介助犬」や「聴導犬」については、法的な位置づけがなく、ペットと同様に扱われるため、公共的施設や公共交通機関等への同伴が円滑に受け入れられていない状況にあり、身体障害者の自立及び社会参加に支障が生じています。
　これらの状況を踏まえ、身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与するため、本年5月に「身体障害者補助犬法」及び「身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化のための障害者基本法等の一部を改正する法律」が公布されました。この法律は、身体障害者補助犬の訓練事業者及び使用者の義務を定めるとともに、身体障害者が公共的施設、公共交通機関等を利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することができるようにするためのものです。
　尚、不特定多数の人々が利用する施設（ホテル、レストラン等）については、１年間を周知期間とし、平成15年10月1日施行となります。

●身体障害者補助犬とは・・・
　身体障害者補助犬（以下、補助犬）とは、盲導犬・介助犬・聴導犬として、厚生労働大臣指定の法人に認定された犬をいいます。聴導犬はオレンジ色の首輪や引き綱、ベストなどが目印です。介助犬は「介助」と善かれたベストを付けていることがありますが盲導犬はハーネス（使用者と犬の間で言葉や気持ちを交わすためのもの）以外何も付けていない事が多いです。
　補助犬は、使用者の指示に従うよう訓練され、清潔を保つように法律でも規定されています。いわゆるペットではありません。

●補助犬使用者が訪れたら・・・
　まず、使用者に声をかけてください。補助犬については「無視」し、絶対に補助犬に声をかけたり、さわったり、ハーネス・引き綱等にさわったりしないでください。補助犬を座らせる場所は使用者が心得ています（使用者の椅子の下など）が、不都合がある場合は使用者に説明して移動してもらってください。
〈レストラン・飲食店〉
　盲導犬の使用者の場合は座席まで必ず案内し、椅子やテーブルの位置や高さを手で確認してもらってください。サービスを提供する際にも簡単な位置の説明を行ってください。点字メニューがない場合には、メニューと価格を読み上げてあげてください。
　聴導犬の使用者に質問された場合は、紙に書いて回答するかゆっくりと回答（読唇のため）してください。
〈ホテル・旅館〉
　補助犬の食事や排泄等については、使用者から申し出がない限り、すべて使用者が準備しています。
　施設の説明の時に、盲導犬の使用者であれば、位置の説明をし、確認してもらってください。
　次のことが可能であれば更に喜ばれます。
・部屋の選択（エレベーターや非常口に近い部屋等）
・部屋のドアノブに印（シールを貼ったり、物をさげたり）をつける。
　聴導犬や介助犬の使用者にも施設や設備等の説明をし、確認してもらってください。
〈その他の施設〉
　補助犬については、右記の説明と同じです。仕事中の補助犬が気を散らすような行為（声をかけたり、さわったり）は使用者と補助犬の会話の妨げになるのでしないこと。補助犬の世話は使用者が行うので特に必要ないこと。補助犬はペットではないこと等を周りのお客様にも理解していただけるように従業者にも十分説明してください。