ト ピ ッ ク ス

01年の外食売上高3.3%減=「客単価」は最大の落ち込み
 外食チェーンの業界団体、日本フードサービス協会は1月24日、2001年の売上高(既存店ベース)が前年比で3.3%減少したと発表した。牛丼などの値下げ効果で客数は7年ぶりに増加したが、景気の低迷や狂牛病騒動による消費者の牛肉離れも響き、1人当たりの消費金額(客単価)は同3.8%減となり、1994年の統計開始以来最大のマイナス幅を記録した。
 焼き肉ファミリーレストランの売り上げは、狂牛病の影響を受け、同15.1%落ち込んだ。2001年の既存店客数は0.5%増。牛丼チェーンの吉野家ディー・アンド・シーが昨年8月、全国で「並盛り」を280円に値下げした効果などで伸びた。一方で、こうした「外食デフレ」の影響を受け、コンビニなどの客足が落ちていると言われる。(毎日新聞1月24日)

消費者物価〜前年比0.8%減 
調査開始後初の2年連続下落 

 総務省が1月25日発表した2001年平均の全国の消費者物価指数(2000年=100)は、物価変動の激しい生鮮食品を除く指数が99.2と同0.8%下落した。2年連続の下落は現行形式の調査が始まった1970年以降初めてで、下落幅も最大を記録した。また、生鮮食品を含む総合指数は99.3と前年比0.7%下落し、初めて3年連続で落ち込んだ。デフレの継続と深刻化を反映しており、竹中平蔵経済財政担当相は同日の閣議後会見で「総合的なしっかりした対策が必要」との認識を改めて示した。
 十大費目別では、パソコンやテレビなどの値下がりなどで「教養娯楽」が同3%下落したほか、衣料の値下がり傾向が持続していることから「被服及び履物」は同2.2%の値下がり。通信料の引き下げで「交通・通信」も同0.9%下落した。一方、「教育」(同1.1%上昇)のほか、「保険医療」や「光熱・水道」は各種料金の値上げを反映して上昇した。
 財の品目別にみると、値下がりしたのはパソコン(ノート型)の同38%下落が最大。パソコン(デスクトップ型)の同37.4%下落、電気カミソリ(輸入品)の同17.4%下落などが続いた。上昇したのは、ハクサイ(同19.4%上昇)、ピーマン(同15.3%上昇)の順。
 また、サービスの品目別では、ハンバーガー(同10.1%下落)、固定電話通信料(同7.8%下落)、牛丼(同7.6%下落)と続いた。値上がりしたのは、自動車保険料(同4.1%上昇)、診療代(同3.1%上昇)の順だった。
 また、同時に発表された1月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値)は、生鮮食品を除く総合指数が97.8と前年同月比1.2%下落し、28カ月連続の落ち込みとなった。(毎日新聞1月25日)

遺伝子組み換え〜豚にホウレンソウ。 
ヘルシー肉質 近畿大など

 ホウレンソウの遺伝子を組み込み、肉質をヘルシーに変化させた豚を開発することに、近畿大生物理工学部の入谷明教授(発生工学)、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所の村田紀夫教授(分子生物学)らのグループが成功した。大型動物に植物の遺伝子を入れ、狙い通りに働くことが確認されたのは世界で初めて。
 豚に組み込まれたのは、飽和脂肪酸を、健康に良い不飽和脂肪酸であるリノール酸に変える酵素「FAD2」を作る遺伝子。植物の多くはこの遺伝子を持っている。しかし、人間を含むほ乳類は持たないため、リノール酸などの不飽和脂肪酸は体内で合成できず、食品から摂取するしかない。
 研究グループは、ホウレンソウの根から取り出したFAD2遺伝子を豚の受精卵に入れ、その受精卵を母豚の子宮に戻した。誕生した豚の脂肪組織を調べたところ、普通の豚よりも不飽和脂肪酸が20%多く含まれることが分かった。
 普通の豚と交配させた3代目まで生まれたが、FAD2遺伝子が受け継がれていることが確認された。同じようにFAD2遺伝子を組み込んだマウスの脂肪組織には不飽和脂肪酸が40%多く含まれ、7代目まで受け継がれている。
 入谷教授は「次世代へ受け継がれたことで、植物の遺伝子が動物の体内できちんと機能していることが示せた。これから食品としての安全性や、遺伝子組み換え豚の健康が維持されているかどうかを確認したい」と話している。

痴呆予防〜適度の飲酒はアルツハイマー病などに効果。 
英紙報道

 1月25日付の英紙デーリー・テレグラフによると、ワイン、ビールなど酒の種類にかかわらず、少量から適度の酒を毎日たしなむ高齢者は、アルツハイマー病はじめさまざまな型の痴呆になる確率が最大70%小さくなることが、オランダのエラスムス大医学部が55歳以上の約8,000千人を6年間調べた結果わかった。
 モニック・ブレットラー博士の調査によると、このうち146人がアルツハイマー病、29人が脳血管障害による痴呆、22人がその他の型の痴呆になった。適度の飲酒をする人の場合、例えばアルツハイマー病になる恐れは42%減少するという。
 この研究について、アルツハイマー協会のハーベイ研究部長は「飲み過ぎはいけない」と戒めながらも「適度の酒は健康にいい、という従来の研究を確認した興味深い結果だ」と話している。
 ブレットラー博士によると、近年、痴ほうと血管の関係を示す研究が増えている。研究者の間では、アルコールの痴呆防止作用の仕組みとして、(1)脳の記憶や学習をつかさどる部位に働きかける。(2)血液中の血小板の凝集を減少させる――といった仮説が考えられているという。研究論文は英医学雑誌ランセット最新号に掲載される。
(ロンドン共同・毎日新聞・1月25日)

全飲連が牛肉の安全性を
ポスターでキャンペーン

 全飲連では、BSE(牛海綿状脳症)問題の対応策の一環として、「当店の牛肉は安全です! 安心してお召し上がり下さい!」ポスターを作成・配布し、牛肉の安全性についてお客様へのPRに努めていくことにしました。
 BSE騒ぎは、9月10日の発表以来、各方面に多大な影響を及ぼしています。消費者の牛肉離れが拡がり、外食産業においても、牛肉メニューを主体とする店舗では大きなダメージを受け、対応に苦慮しています。
 こうした情況のなか、国から、全頭検査により安全が確認された牛のみが出荷されるとの安全宣言がだされたのを受けて、全飲連では、業界挙げて牛肉は安全であることを消費者に訴えるため、店頭用のポスタを4万枚作成し、全国の組合員へ配布することにしました。
 もともと脳や眼、脊髄、回腸などの危険部位を除いた牛の肉部分や牛肉および乳製品は、これを食してもBSEに感染することはなく、安全とされていたものが、情報の混乱や学校給食での牛肉の使用中止などにより、牛そのものが敬遠されイメージが悪化するという状況になっています。
 牛肉メニューを中心とする外食店舗では、来店客数が大幅に減少し、売上が前年に比べ3〜4割ダウンしたり、牛肉を使ったメニューの注文数が減っているなど、BSEによる風評被害を大きく被っています。
 全飲連としては、正しい知識・情報をもとに牛肉は安全であることを、消費者に広く知っていただこうと、今回のポスターを作成することにしたものです。国の安全宣言等の対策と相まって牛肉の安全性が消費者の皆様に理解され、一刻も早く安心して牛肉を食べていただけるよう全飲連としても広く働きかけ、努力していきたいと思います。

東京都食品衛生協会賀詞交歓会
 (社)東京都食品衛生協会をはじめとする食品3団体は、1月11日、東京・港区の明治記念館で新年賀詞交歓会を開きました。
 来賓として今村皓一東京都衛生局長ら衛生局の担当部課長、顧問団の国会議員では八代英太自民党都連会長、石原伸晃行政改革担当大臣、保坂参三参議院議員ら、また相談役の都議会議員では 三田敏哉都議会議長らが出席しました。
 開宴に先立って、三田政吉会長は「日頃から3団体の事業運営に格別の協力を賜って感謝している。私は昨年世界中が厄年だったのかと思っている。同時多発テロ事件は考えも及ばないことで、知人の一人は危うく逃れたが、もう一人は未だに不明になっており、テロの絶滅に私どもも何らかの協力をしたいと思う。また国内では若い小童がいろいろな問題を起こしているが学校での教育、家庭でのしつけを是正して昔に戻れる教育をしてもらいたい。ただ暮れに皇室に内親王がお生まれになり、一つの光が射したので、悪いことはみな帳消しにしたい。構造改革も結構だが、私どもの景況がよくなるよう、前途に希望が持てるようになることを祈念してやまない」と述べました。
 続いて、都衛生局関係者、顧問の国会議員、相談役の都議会議員が壇上で紹介されました。
 今村局長は「昨年は内外ともに慌しく、厳しかったが、とくに国内で狂牛病が発見され、関係営業に甚大な影響が広まった。私どもとしても狂牛病五原則にのっとり絶対に流通させないよう万全を尽くす覚悟をしている。なお昨年の都における食中毒発生状況は、昭和23年に統計を取り始めてから一番少ない結果となり、これも皆さんの自主管理体制の強化の賜物であり、さらに、知識・経験を十分に発揮して一層の尽力をお願いするとともに。私どもも万全の支援をしていく」と述べ、続いて八代都連会長、三田敏哉都議会議長が業界支援を約束し、乾杯しました。

アサヒビール社長に池田弘一氏が就任
 アサヒビール株式会社は昨年12月19日の取締役会において、代表取締役の移動について決議を行い、本年1月5日付けで代表取締役社長に専務取締役の池田弘一(いけだ こういち)氏が就任されました。
 今回の社長交代は、新しい企業像を標榜し「総合酒類事業の強化」と「グループ全体の競争力の向上」を目指していくために経営体制の若返りによる活性化を図り、新体制のもとで、さらなる発展を期するために行われたものです。
 なお福地茂雄前社長は代表取締役会長に、瀬戸雄三前代表取締役会長は取締役相談役にそれぞれ就任されました。