酒類企業社長年頭挨拶
酒類企業社長からの年頭挨拶が全飲連に寄せられましたので、その概要を抜粋して掲載させていただきます。アサヒビール株式会社
代表取締役社長 池田 弘一
弊社はアサヒビール中期経営計画に掲げた「経営革新・経営基盤強化」の前半の2年間が終了しました。コーポレート・ガバナンスの革新をはじめ、財務リストラ、グループ企業の再編などに取り組み、計画を完遂することができました。
お陰様を持ちまして、2001年をアサヒビールに取りまして大きな実りのある1年とすることができました。ニッカウヰスキー社との営業統合を行うと共に、発泡酒・チューハイ市場へ本格参入を果たし、『総合酒類事業化』へのスタートを切ることができました。
また、ビール・発泡酒市場では、業界全体が前年並みの中、お蔭様で二ケタ近い伸びをいただき、ピール・発泡酒市場でもお客様から大きなご支持をいただくことができました。
さて、本年の日本経済は政治・産業などのあらゆる分野において改革の波がさらに広がり、経済再生に向けた正念場の年になると思われます。企業はスピードを上けて経営改革を進め、自助努力できぴしい経営環境を乗り切っていかなければならないと考えます。
そうした中で、本年弊社は「総合酒類化への取り組みと行動」を方針に掲げて、総合酒類企業として勝ち抜くための仕組みを構築していきます。アサヒビールは、ビール・発泡酒を中心とした総合酒類化を目指し、強みを生かして成長分野に特化していきます。
そのために、戦略の柱となるビール・発泡酒市場において、磐石な地位を築いていきます。商品戦略の中心であります「スーパードライ」は、商品の品質・鮮度により一層磨きをかけ、トップブランドの優位性をさらに強めていきます。「本生」はブランド強化を図り、発泡酒市場の中での地位をさらに高めていきます。また、成長カテゴリーであります低アルコール、焼酎、ワインで一層の伸長を図っていきます。一方、本年5月には「世界トップクラスの製造技術と生産性を誇るビール工場」をコンセプトとした神奈川工場が完成し、いよいよ出荷が始まります。最高の品質を追求し続けて、お客様の「うまい!」をさらに広げていきたいと考えております。
そして、これまで以上に謙虚にお客様のお声に耳を傾け、流通の皆様方とのよリ一層の信頼関係を築くことができればと願っております。キリンビール株式会社
代表取締役社長 荒蒔 康一郎
弊社は、KG21アクションプラン(中期経営計画)で掲げた課題を着々と遂行し、総合酒類事業、グループ経営の基盤は確実に整備されつつあります。私自身、手ごたえも感じております。
例えば、ビール・発泡酒では「クラシックラガー」、「ハイネケン」、「麟麟淡麗〈生〉」が好調であり、新たにチューハイ市場に進出した「キリンチューハイ氷結果汁」も爆発的にヒットしました。また、洋酒市場でもシーバスリーガルが前年プラスとなりました。
昨年10月からスタートした新しい営業体制でのセールス活動が定着し、多角化の各カンパニーも非常に健闘しています。そして洋酒、ピールの国際展開について第一歩を踏み出すこともでき、社員の士気は上がってきております。
2002年にやるべき手ははっきりしています。「お客様本位」「品質本位」をしっかりと築き上げたい。具体的には国内酒類の強化。ピールに関してはラガー、一番搾り、クラシックラガー、その他ハートランド等の個性的な商品を市場に訴えていく。発泡酒に関しては麒麟淡麗〈生〉のブラッシュアップ、それに続き、今年は新しい発泡酒の提案を打ち出していきます。低アルコールとしては氷結果汁の生産体制の拡充を図る。洋酒・ワインに関してはラインアップの充実に加え、焼酎への参入を目指す。また今年は日本・韓国共催のワールドカップの年。この世界的イベントにも積極的に関わっていく予定です。
2002年はキリン社にとってチャレンジの年であります。会社としては利益を出す構造を作る。お客様の支持があってこそですが、利益を出して株主をはじめとするステークホルダーに還元し、次の展開に向けて投資をしていく。そのためには全員が「やりぬくこと」。決めた目標は必達です。私も目標を共有化し「やりぬくこと」に徹したいと思っています。
2007年の創業100年に向け、今年を全員一丸となって実り多き年としたいと考えます。サントリー株式会社
代表取締役社長 佐治 信忠
いよいよ新世紀が幕を開けました。景気の早期X字回復は難しいと見られる状況の中で、私どもは、常に新しい価値の提案を積極的に行なってまいろうと考えております。サントリーには、創業以来、脈々と流れている「やってみなはれ」のチャレンジ精神があります。混沌とした厳しい環境下に置かれた時代であるからこそ、縮み思考に陥るのではなく、新しい価値の創造に積極的に挑戦し続けたいと考えています。知性や感性を磨く努力を続け、様々な提案を新たな時代の中で積極的に進めてまいりたいと考えております。
事業別に見ますと、まず、酒類事業部門は、当社ならではの豊富なラインナップや技術力を生かし、多様化するニーズに応えていこうと思います。
この中で、洋酒事業は、本物志向が強まる中、豊富なラインナップを中心に、ウイスキーならではの魅力をじっくりと訴求していきます。多様化するニーズ、またカクテル需要の高まりに応えて、リキュール、スピリッツも積極的に、その魅力を紹介していきます。
ビール事業は、「モルツ」「マグナムドライ」「ダイエット〈生〉」を中心に積極的なマーケテイング活動を展開し、一層の飛躍を目指します。特に、伸長する発泡酒市場に向けて更に新しい提案を行なっていく考えです。
ワイン事業は、日本のNo.1ワインカンパニーとして、総需要拡大の努力も含めて積極的な取り組みを行なっていきます。
一方、食品事業部門では、基幹ブランドの強化と新製品の積極的な提案をしてまいります。また、高級アイスクリーム市場を牽引するハーゲンダッツでも、積極的な事業展開を進めていく予定です。
本年度につきましても、当社を取り巻く環境は、依然、厳しいものがあると存じますが、創業以来のベンチャー精神にのっとり、新しい価値の創造に挑戦し続けてまいりたいと決意を新たにしております。