伊万里はちがめプラン

地域食資源(生ゴミ・廃食油等)循環システム計画
料飲組合が中心、市民と地域と、資源循環型社会をめざす。


 佐賀県の伊万里料飲店組合・旅館組合では、環境保全事業、地域食資源(生ごみ・廃食油等)循環システム計画「伊万里はちがめプラン」に取り組んでいます。
 この「伊万里はちがめプラン」は、伊万里料飲組合の福田俊明副組合長が中心となり、進められているプロジェクトで、生ごみや廃食油を、資源として活用しようというものです。
 これまでのように、生ごみを燃やしたり埋めてしまうのではなく、有機質堆肥に変えて畑や田んぼに戻すことを目的にしています。
 「はちがめ」とは、生きている化石と言われるカブトガニの伊万里地方での呼び名で、日本最古のカブトガニ産卵地と言われる伊万里湾を美しいまま子供たちに手渡していきたいと言う願いを込めて名づけられました。
 平成4年に伊万里料飲店組合・旅館両組合により「生ごみ資源化研究会」が発足し、情報収集・アンケート調査・可燃ごみ調査などを経て、同6年より研究、実験が開始されました。そして同9年に「生ごみ堆肥化実行委員会」が結成され、本格的に「伊万里はちがめプラン」が始動しました。
 平成9年、伊万里農林高校応用生物科との共同研究で、生ごみに活発に反応する発酵菌「はちがめ菌」の選別培養に成功し、種菌栽培を開始。さらに同11年には、県商工会連合会「地域ゼロエミッション研究開発事業」の助成と伊万里商工会議所の指導を受け、種菌培養実験場が完成し、同校の生物生産科により栽培実験が行われました。
 また、市民グループとの交流「エナコロジートークinいまり」が九州通産省との共同で開催され、さらに、「環境にやさしい社会を作るために」と題して、井本県知事らと対談するなど、「伊万里はちがめプラン」のPRが積極的に行われました。
 平成12年1月には、国・県商工連合会と伊万里商工会議所の助成を受け、伊万里大坪町今岳に「生ごみ堆肥化実験プラント」が完成。9月に結成された、今岳山麓にある国営開発農地の休耕地一部に菜の花を植える「菜の花プロジェクト」では、この「はちがめ堆肥」を使って安全な国産菜種の生産が行われています。この年、伊万里商工会議所委託事業「平成12年度伊万里ゼロミッションシステム研究開発事業(生ごみ堆肥化実験事業)」がスタートしました。
 平成13年2月、伊万里はちがめプラン代表・福田が佐賀県環境サポーターに任命されたことを受けて、中学・高校や婦人会などの団体に環境学習などの講座が開催されました。
 また、実験プラントを見学した主婦等により「台所から生ごみの資源化を考える会」が結成され、一般家庭の生ごみ分別収集を実験的に行っています。さらに、7月より「平成13年度第二次伊万里ゼロエミッションシステム研究開発事業(生ごみ堆肥による土壌調査実験)」がスタートしています。
 今年の7月には、東京都庁で開催された「生ごみリサイクル全国交流大会」(主催「生ごみリサイクル全国ネットワーク」、東京都)に参加し、事例発表とパネルディスカッションで、「伊万里はちがめプラン」の活動を広く全国に紹介されました。