ぜんいんれん健康クリニック 2
痔の話


食物繊維をたっぷりとりましょう
痔には3つの種類があります
 痔には、痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)という3つの種類があります。
 痔核は肛門管にある静脈叢が膨らんだ状態になることです。上の方にあるものを内痔核、下の方にあるものを外痔核といいます。
 内痔核は肛門のより奥の方にできます。ずっと立ったままとか、座ったままでいると、肛門の粘膜の血管が拡張します。それが血管のコブのようになってあらわれるのが内痔核です。肛門の中というのは普通の皮膚と違って、痛みを感じない部分です。ですから痛みはないのですが、その拡張した血管が一部破れると出血をします。特に便をした後に血が出ます。
 手術をしなくてよい場合と、手術が必要な場合があります。そのしこりが小さかったりすれば、通常は坐薬とか軟膏といった薬で治ります。ところがそのしこりが大きくて肛門の外に飛び出してきてしまう状態では、手術が必要な場合があります。そんなに大きくなくても出血が多かったりする場合は手術が必要な場合があります。
 外痔核は肛門の外の方にできるイボ痔のことです。血の粒みたいなので血栓性外痔核ともいわれています。スポーツをしたり、力んだり、うなるような時にいきなりできます。出血というよりも肛門の痛みが主な症状となります。
 治療方法はこの血栓を取ってしまえばよいのです。簡単に取れますし、手術する必要もありません。入院する必要もありません。ただ痛みは何日間かあります。
切れ痔は便秘がちな女性に多いです
 2つ目は裂肛で、これは切れ痔と呼ばれています。イボ痔は男性に多いのですが、これは主に女性が多く、便秘がちや、便が硬い人に多いといわれています。
 大便には、柔らかい部分と硬い部分あるいは一部消化してないものなどがあります。それが排便のときに、肛門をちょっと傷つけてしまうということがあるわけです。それが繰り返されると、肛門の粘膜の一部が裂けてしまう状態になるわけです。
 これはかなり痛いです。特に排便のときに痛むので、便をするのが怖くなってしまう人がいます。そうしますと余計に便が硬くなって、便秘が悪くなってしまうという悪循環になります。
 治療方法としては、やはり便を柔らかくするようにすることが第一です。手術はほとんど必要ありません。
 それから、いつも肛門をきれいに洗うことを心がけ、よく温めるようにしてください。そうすれば、必ずよくなります。
痔ろうはちょっと大変です
 もう1つ、痔ろう、あな痔と呼ばれているものですが、これが一番厄介な病気です。
 肛門の中には肛門陰窩という溝があるのですが、その溝から肛門の周囲にバイ菌が入ってしまうわけです。そして肛門の周囲の炎症が起きるのですが、それが慢性化してトンネル状になったものを痔ろうといいます。
 炎症が強くなって肛門の周囲に膿をためてしまう状態になると、肛門の周りが赤くなってすごく痛くなり、ときには高熱が出ます。通常は肛門がじゅくじゅくするとか、下着に便以外の膿がつくといった症状があります。肛門の奥の方にトンネルができてしまう場合には、手術が必要になります。
食物繊維をたっぷりとって便秘にならないことです
 痔にならないためには、肛門の周囲はいつも清潔にしておくことです。それから排便のときにはふんばりすぎないということです。また便秘を起こさないために適度な運動もしてください。
 食べ物では、食物繊維をたっぷりとってください。ちょっとしたサイドサラダに付くレタスのサラダ、これはシャキシャキして美味しいのですが、単に食物繊維の量とすれば全然足りません。昔ながらの野菜のお浸しや煮物で、たくさんとるようにしてください。
水内外科内科医院  水内 整先生