食品工場及び業務用厨房施設等における

一酸化炭素中毒事故の
防止のために

 近年、食品工場及び業務用厨房施設等において液化石油ガス及び都市ガスの消費設備による一酸化炭素中毒事故が発生しています。食品工場及び業務用厨房施設等においてひとたびCO中毒事故が発生した場合、多くの人を巻き込み、甚大な被害を及ぼす可能性があることから、業務用厨房等の所有者や使用者等は、換気、点検、手入れ、業務用換気警報器設置等の重要性について理解を深め、ガスの消費設備によるCO中毒事故を防止するため、下記の事項について対処してください。

1. ガスの消費設備を使用中は、必ず換気(給気と排気)

特に夏期、冬期等冷暖房機を使用する時間室内を閉め切りの状態にすることが想定されるため、換気扇や換気装置によって十分に換気が行われているか、必ず確認すること。なお、現場において換気し忘れを防止するための工夫を実践すること。

2. 使用開始時及び使用終了時にガスの消費設備及び換気設備の異常の有無を点検

ほかに、1日に1回以上、当該設備の作動状況について点検し、異常のあるときは当該設備の使用中止、補修その他の危険を防止する措置を講じてください。

3. 設備の作動状況の確認、ほこりや汚れの除去、フィルターの清掃等

換気不良やガスの不完全燃焼を防ぐための日常管理を行うこと。特に台風、地震、積雪等の自然災害後は当該設備の異常の有無を点検し、異常のあるときは、当該設備の使用中止、補修その他の危険を防止する措置を講じること。また、停電中は、換気扇及び給排気設備が作動しない場合があるので、停電中にやむを得ずガスの消費設備を使用する場合は、窓を開けて換気をする等の措置を講じること。更に、復電後は換気扇及び給排気設備が作動することを確実に確認してください。

4. グリス除去装置等のフィルターの定期的な清掃や交換の実施

排気ガス中に含まれる油脂等を有効に除去するために排気取入口に設置されるグリス除去装置(グリスフィルター)や悪臭防止のために排気ダクト内に設置される脱臭フィルター等は、使用し続けると油脂等が付着して目詰まりを起こし、十分な換気量が確保できなくなることから、当該フィルターの定期的な清掃や交換を行いましょう。

5. 万一の不完全燃焼に備えて業務用換気警報器の設置を検討

気づきにくいCOの発生をいち早くキャッチし、音声やブザーで警報し、事故を未然に防ぎましょう。

6. 調理に従事する従業員などへの教育及び周知

ガスの消費設備及び換気設備の正しい使用方法及び換気の重要性について、調理に従事する従業員(パート・アルバイト等を含む。)への教育及び周知を実施しましょう。

参考1:2022年に発生した食品工場及び業務用厨房施設等における一酸化炭素中毒事故一覧
参考2:飲食店や食品工場などでガス機器を使われている皆様へ

問合せ先: 経済産業省 産業保安グループ
高圧ガス保安室 (食品工場)03-3501-1706
ガス安全室(業務用厨房施設等)03-3501-4032