外食産業市場動向
平成28年(2016)年間結果報告   

          (一社)日本フードサービス協会提供の資料より

 この報告は、協会会員を対象とした月次外食産業市場動向調査の平成28年(1月〜12月)の集計結果を基に、新規店を含めた「全店データ」の業界全体・業態別前年同月比を算出し、年間動向の一指標としてまとめたもの。

ファーストフード好調で、売上は2年連続で前年を上回る

■全体概況
○平成28年(2016)の外食需要は、8月に台風などの天候不順やオリンピック期間中の外出控えなども影響して前年比マイナスとなった以外は堅調に推移し、「ファーストフード」、特に“洋風”(109.7%)が好調で、年間の売上は102.8%と2年連続で前年を上回った。
 また、客単価でも「ファーストフード」が上昇を牽引し(103.6%)、全体の客単価(101.2%)は前年を上回った。
○業態別の売上は、「ファーストフード」(106.0%)は4年ぶりに前年を上回り、「ファミリーレストラン」(100.4%)、「ディナーレストラン」(104.3%)、「喫茶」(101.2%)、「その他」(103.4%)は5年連続して前年を上回った。一方で「パブレストラン/居酒屋」(92.8%)は8年連続して前年を下回った。
 ここ数年外食市場を牽引してきた「ファミリーレストラン」の伸びがひと段落する中、「ファーストフード」が大きく前年を上回る一年となった。

■四半期動向
○全体の売上は、全ての期で前年比プラスとなり、第T四半期、第W四半期で、前年を大きく上回った。業態別では、「ファーストフード」が全ての期で大きくプラスとなった一方、「ファミリーレストラン」は、第W四半期に回復するものの、年央の第U、第V四半期にはマイナスとなった。
○全体の店舗数は、第W四半期以外は前年を下回った。業態別では「ファーストフード」が第T四半期から前年比マイナスを続けていたが、第W四半期には前年比プラスに転じた一方、「ファミリーレストラン」は、第T四半期前年比プラスではじまったが、第四半期Wには前年比マイナスとなった。「ディナーレストラン」は全ての期で前年を上回る一方、「パブレストラン/居酒屋」は全ての期で前年を下回った。
○全体の客数は、全ての期で前年を上回った。業態別にみると、牽引したのは「ファーストフード」「ディナーレストラン」で全ての期で前年比プラスとなる一方、「パブレストラン/居酒屋」が全ての期で前年を下回り、「ファミリーレストラン」は第U四半期、第V四半期で前年を下回った。
○全体の客単価は、全ての期で前年を上回る一方、「パブレストラン/居酒屋」は全ての期で前年を下回った。ここ数年客単価の上昇傾向が続いていた「ファミリーレストラン」は伸びが縮小し、第V四半期にはマイナスとなった。

■業態別の売上(前年比)
ファーストフード 106.0%
ファミリーレストラン 100.4%
ディナーレストラン 104.3%
喫 茶 101.2%
その他 103.4%
パブレストラン/居酒屋 92.8%