日本型の分煙社会の実現をめざして

受動喫煙防止強化に対する緊急集会

 全国生活衛生同業組合中央会は、日本フードサービス協会と大阪外食産業協会と共に、平成29年1月12日にベルサール御成門駅前において、「受動喫煙防止強化に対する緊急集会」を開催しました。会場には参加者と報道陣があふれかえるほど詰め掛け、注目度の高い熱気を帯びた集会となりました。
 「全国の全ての飲食店について“原則建物内禁煙”とし、喫煙室を設置する以外は禁煙を義務づけ、違反した場合には罰則を適用する」という、昨年10月12日に厚労省労働省が2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた受動喫煙防止対策の強化案(たたき台)に対し、全国生衛中央会の大森利夫理事長、全飲連の森川進会長、全国旅館ホテル生衛組合連合会の北原茂樹会長、大阪外食産業協会の吉田勝彦専務理事、日本フードサービス協会の菊地唯夫会長が、それぞれ意見表明を行いました。
 会場には、石破茂衆議院議員(自民党)・上田勇衆議院議員(公明党)・穴見陽一衆議院議員(自民党)の3名の国会議員も応援に駆け付けました。
 森川進会長は、飲食店営業は多様なメニューの提供だけでなく、顧客に快適な空間とくつろげる時間を提供し、嗜好に合った飲食環境を提供する。自由に店舗を選択することで、サービスの充実、さらには国民生活の充実が図られている。組合員の多くは顧客ニーズに向き合う地域密着型の小規模店であり、喫茶店やスナックでは、顧客の大半が喫煙者という場合も少なくない。個人経営では喫煙室を設置するのは、資金的にも敷地面積的にも厳しい現状がある。喫煙・分煙・禁煙と店内の喫煙環境を入店前に伝える喫煙環境ステッカーの貼付活動等、受動喫煙の防止についての活動を組織あげて展開してきた実績などをあげ、「政・官・民が協力して日本型の分煙社会を実現したい」と訴えました。
 また、日本フードサービス協会の菊地唯夫会長は、「日本の外食産業は多様性が魅力。病院・学校・官公庁など公的機関と、顧客の好みで自由に選択できる飲食店等に対し、一律に同一の規制を加えることはふさわしくない。アイデアから生まれた電子たばこのように、喫煙・禁煙・分煙の多様性を守れるよう知恵を絞っていきたい」と話しました。
 最期に、森川会長が壇上の中央に立って読み上げた決議案が採択されました。

 
  石破茂衆議院議員(自民党)
   
  上田勇衆議院議員(公明党)
 
  穴見陽一衆議院議員(自民党
 
  全国生衛中央会の大森利夫理事長
 
  日本フードサービス協会の菊地唯夫会長
 
  全飲連の森川進会長


受動喫煙防止強化に対する緊急集会 決議

サービス業に対し、一律に原則建物内禁煙を課すことなく、これまで取り組んできた業界の自主的な取り組みについて、一層の理解と支援と賛同を求める!

《理由》
1.飲食業を含む生活衛生業及び外食産業は、多様なメニューの提供を通じて国民の豊かで健全な生活に貢献しているだけでなく、お客様に対するサービスの一環として、快適な空間とくつろげる時間を提供している。そのため、店舗においては事業者が多様な飲食環境を提供し、お客様は好みに応じて店舗を自由に選択できる。

2.厚生労働省のたたき台の対象となっているサービス業、特に飲食店とそれ以外の施設には性格的に大きな相異がある。その違いとは、公共性とお客様による選択肢の有無による違いであり、飲食店以外の施設は公共性が高く、お客様の選択の余地はあまり存在しない。一方、飲食店はお客様が自分の嗜好に合わせて自由に選択するもので、同じ次元での規制はふさわしくない。

3.そもそも、飲食業・外食産業の店舗においては、一律に「喫煙室」を設置することはスペースの確保や設置費用等の面で困難である。

4.すでに、私どもは2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、さまざまな「分煙環境の整備」に取り組み、海外の非喫煙者・喫煙者のお客様が双方ともに気持ちよく共存できるよう取り組んでいる。

5.店舗の禁煙・分煙・喫煙環境については、ステッカー等の表示によりお客様に理解を求めており、今後、こうした取り組みをより一層進めていく。