齊藤光哉 全青連新会長のお店訪問 魚とも
全国規模の仲間づくりがメリット  
 ●魚とも
 群馬県吾妻郡中之条町大字中之条町923
 TEL:0279-75-2046
 営業時間:午前11時〜午後2時
      午後5時〜午後10時
 定休日:火曜日

また来たくなる店づくり、まちづくりに取り組む
 四万温泉・沢渡温泉への玄関口にあたる中之条町は山あいにある小さな街。そのメイン通りに鮮魚料理店の『魚とも』はあります。屋根に掲げられた魚が描かれた大きな看板や、店舗の外壁に張られた写真入りメニューがアイキャッチとなって、お店の内容が一目で伝わってきます。「表に看板やメニューを出すようになって、観光客の来店が多くなりました」と効果を実感する齊藤光哉さん。
 昭和27年に会社組織として創業した給尢F商店は、光哉さんで3代目。祖父が興した鮮魚店は、地元の家庭はもちろん周辺地域の温泉旅館にも市場から仕入れた新鮮な魚介を提供してきました。
 光哉さんは築地の料理店に14年間務め、調理の腕や仕入れのノウハウを磨き、家業の割烹料理店を継ぎました。現在は、妻・娘・叔母の手を借りて商売を切り盛りしています。カウンター席、小上がり、10名程度の小部屋、120名まで対応できる大宴会場がある店舗で、出前にも応じ、地域の人々の行事や法要のニーズにも応えています。
 『魚とも』の魅力は、新鮮で旨い海の幸・旬の恵みを素材にした魚定食・すし定食・ちらし定食・丼物など、良質で予想以上のボリュームの料理を、リーズナブルに堪能できる点。仙沼産のモウカザメ、千葉県産のマンボウ、富山県産の真鯛など、正直、海のない群馬県の山間部でこんな食材が? と驚かされるうえ、定食では色々な小鉢やデザートも付きます。「お客様を良い意味で裏切り、驚きや満足の笑顔を見るのが嬉しい」と、労を惜しまない姿勢が、また足を運びたくなり、口コミで広げたくなるという好循環を生んでいるようです。
 また、『ビエンナーレ』、『まちなか5時間リレーマラソン』など、中之条町では地域を盛り上げる数々のイベントが開催されており、光哉さんはその企画・運営にも加わり、他県からも多くの人を呼びよせるなど町全体の活性化にも積極的に取り組んでいます。

「仲間同士で活かし合う」それこそが組合員のメリット
 齊藤光哉さんは、群馬県飲食業組合青年部の会長を務めて7年。そしてこの6月10日の総会で全青連会長に就任しました。組合に所属するメリットや多忙にもかかわらず大役を担う意義を伺いました。
 「一番は、仲間づくりです。当店には県内外の組合員さんが訪ねてくれますし、当店の常連さんがどこかに行くと聞くと、近くにいいお店があるからと組合員の店を紹介して、喜ばれています。プロが薦める店という説得力は絶大ですね。また、全国にネットワークがあるので、海なし県群馬としては、魚介の仕入れ時に口をきいてもらうなど頼りになる仲間は有り難い存在。一匹狼になりがちな飲食店経営者が、同業の仲間を持ち、お互い情報交換し合い、切磋琢磨し合える環境があることはとても心強いです」。組合員=真摯に精進し続ける飲食業のプロ、さらに言うと一種のステイタス。光哉さんの言葉から、そんな響きが感じられます。
 全青連会長として新たに取り組みたいことは、ケータイのラインで全国の仲間をつなぎ、いつでも手軽にコミュニケーションを図れる環境をつくること。「会議や全国大会では、わざわざ商売を休んで行くので、その機会を大切にし、仲間づくりに積極的に取り組みましょう」。有言実行で、全飲連の組織づくりに新風を吹き込むニューリーダーに注目です。