平成23年度 関東・甲信越ブロック役員等講習会 (10月4日実施)の内容を要約 誌上セミナー
従業員満足なくして顧客満足なし
〜接遇マナーとクレーム対応について〜講師:ポンドール所属
人材開発コンサルタント
田村 幸代先生●人材の差がお店の差
一日の業務は、「お客様に喜んでいただくため」を目的に展開されますが、同時にその結果は売上等の数字に反映されます。お客様が外食をしようと思ったとき、何店舗の飲食店が来店候補に挙がるのでしょう。経営者の皆様は、お客様が来店されるのは、当たり前だと思っていませんか。
経営者やスタッフのお客様に対する考え方の差が、お店の差になります。お客様をより意識し、配慮した経営をしているお店は、「存続するお店」「発展するお店」といえます。●心があるスタッフの育成
経営者の考え方が、顕著に表れる接客についてお話しします。接客の基本は、「気づき」「推測」「行動」です。スタッフは、業務を早く正確にできるようになると、“仕事ができる”と思い込み、笑顔や気遣いを怠ってしまう傾向にあります。業務は、慣れれば誰でもこなせますが、心あるサービスは、お客様を思いやる気持ちがないとできないことです。「気づけること」「お客様の気持ちをくみ取ること」「お客様の気持ちに応えるために行動すること」ができるスタッフの育成がお店の発展にとって重要です。●指導について
スタッフの育成にあたり、指導の仕方をご紹介します。横並びで業務や接客等を伝え、導いていくスタッフ育成法である「コーチング」が有効です。また、トップダウンの発想は、若人には、なかなか受け入れらない今日では、「ハウスルール」の確立が重要になり、経営者は、社員・スタッフの自主性によるルールの確立を導くことが、求められます。●クレーム対応について
近年のクレームの傾向は、サービスの向上によるもの・執拗なクレーム・ネットやメールを介したクレームの増加です。そこで、クレーム対応の基本手順をご紹介します。まず、全員が当事者であるという意識を持ち、素直に謝ること。次に、お客様の心情を理解し、行動に表します。そして、お客様の要望や解決すべき問題点を確認します。この時、言い訳をせず3分間は聞くことに徹し、お客様の常識とこちらの常識を正確にすり合わせることがポイントです。最後に、解決策・代替案を冷静に提示してください。タイミングは、お客様の気持ちがある程度晴れてから行うことが重要です。●サービスに求められるもの
最後に、大手企業の理念“6つのS”をご紹介します。「SMILE(笑顔)・SMART(爽やかな対応)・SPEEDY(速やかな対応)・SINCERITY(心配りのある対応)・STUDY(正確な対応)・SPECIALITY(プロ意識)」。また、一流ホテルの理念には「HAPPYな従業員がHAPPYな顧客を創る/従業員満足(ES)なくして、顧客満足(CS)なし」という言葉があります。経営者は、従業員の言葉に耳を傾け、同じ方向へ向かって、目的を明確にすることが大切です。