全飲連支援が被災地復興の大きな力に

真心の義援金活動に被災地から感謝と喜びの声
 

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 東日本大震災で甚大な被害を受け、復興に向けて真剣に取り組んでいる被災地の会員に義援金を送ろうと、全飲連の真心の取り組みが全国で展開されています。そうした中、被災地の要望を最優先した支援が最も大切であることから、5月13日(金)、14日(土)に全飲連本部役員が岩手県組合、福島県組合をお見舞いし、見舞金を手渡すとともに、現地の状況などを伺って意見交換を行いました。
 事務局としては、大震災発生後、一日でも早いお見舞が重要として取り組んできましたが、被災地の状況などを配慮し、現地と話し合った結果、今回の日程となりました。事務局では、今回の訪問にあわせて、被災した組合員へ向けた公的支援制度の紹介、説明も実施しました。
 訪問団には、社団法人全国生活衛生同業組合中央会から小宮山健彦専務理事、全飲連から加藤隆会長、柳川一朗副会長、森川進副会長、宍道榮一郎副会長、園田房枝事務局長、小城哲郎専務理事、小池俊晃事務局次長、深堀達義・群馬県組織委員長が参加しました。

◇全飲連支援に期待と喜びがあふれる
 訪問団は、13日に岩手県組合事務所を見舞いました。岩手県組合から、「明日の生活費にも苦労しています」と切実な声が訴えられ、加藤会長は「一日も早く義援金を届けます」と具体的な支援内容を固めました。
 岩手県組合からは、小笠原義彦理事長、高橋正人副理事長、葛勇樹副理事長、橋本タイ副理事長、笹森高雄元理事長、渡辺史朗元理事長、被災地支部として新沼参壱・大船渡支部役員、佐々木浩・高田支部役員、横田博安・山田支部長が出席し、被災状況が詳しく説明されました。
 加藤会長は「地震、津波、原発事故が重なり、言葉では言い表せない被害を受けられていると思います。私たちも全力で応援します」とあいさつし、当座の支援として見舞金を小笠原理事長に手渡しました。
 小笠原理事長は「内陸部と沿岸部では被害に差があり、沿岸は壊滅的な被害を受けています」と被災した沿岸支部の被害の大きさを説明しました。被災した沿岸部の支部役員から、公的機関による経済的な支援が遅れ、生活費に困窮している実情が報告されたことを受け、加藤会長ら役員、事務局は迅速な支援が急務と判断しました。6月中に、被災した会員に対して全飲連義援金の一次支援を緊急対策として実施することが決定されると、参加した岩手県組合の役員からは「ありがとうございます」と喜びの声が上がりました。
 また、店舗が大きな被害を受け、沿岸部では、ほとんどの組合員が営業再開が困難となっています。今までの借入金に加えて新たな融資を受けた場合、資金繰りにも大きな不安を持っているようです。厨房や店舗に必要な器材、調度類など、岩手県組合から全国の組合員に支援が求められました。

◇岩手県沿岸支部の被災状況
 東日本大震災によって岩手県沿岸の甚大な被害状況が、岩手県組合によってまとめられました。
■高田支部=市街地が壊滅し、19店舗中、高台の住宅地内にある1店舗を除き、営業不能。4月末段階で営業している店舗は無し。震災を免れた店も休業中。水道が5月10日に復旧したが、下水道はまだ復旧していない。
■大船渡支部=飲食店が多数ある地域が壊滅。60店舗中、2店舗を除き営業不能。空き店舗を利用して営業を再開した組合員が若干いるが、大多数は営業不能。
■釜石支部=35店舗中6店舗を除き営業不能。津波を免れた地域の空き店舗で営業している組合員がわずかにいるものの、多くは営業不能。
■山田支部=津波の後の火事により、市街地が壊滅。34店舗中、2店舗を除き営業不能。空き店舗も無く、営業は全く不能。
【犠牲になった組合員の方々】(4月18日現在)
■高田支部=河野哲哉さん(支部長・県理事)。及川公夫さん(副支部長・代議員)。小泉敏子さん。鶴島守夫さん。行方不明・斉藤政英さん。
■大船渡支部=富田基一さん。
■釜石支部=磯田繁子さん(副支部長・代議員)。三浦恵美子さん(支部理事・代議員)。石田勝巳さん。
■山田支部=三浦光栄さん(副支部長・代議員)。

◇福島の放射能被害が深刻化
 訪問団は、14日に福島県組合を訪れ、紺野昭治理事長、紺野和博副理事長と意見交換しました。加藤会長は「組合員のためにご尽力をお願いします」と、紺野理事長にお見舞い金を手渡しました。
 福島県組合では、福島第一原発事故による放射能漏れで、被害状況がつかめていない実情がありました。風評被害も甚大で、飲食業は、大震災以降、二重、三重の厳しさを抱えています。
 紺野理事長は「地震直後のパニック状態が落ち着き、被害状況が明らかになるにつれて、深刻さが増してきました」と心情を語っています。放射能漏れによる汚染や避難地域の拡大によって、営業ができない状況に陥ってしまった組合員からは、悲痛な声が届いています。紺野理事長は、支部の実態調査をできる限り早く実施し、全飲連の義援金が組合員の手に渡るように努力していく決意を見せました。事務局、役員は「がんばって立ち直る気持ちを持ち続けていただきたい」と激励しました。