C  o  l  u  m  n

千  客  万  来

お客様へ安全と安心を提供
それが飲食業の使命です。

 飲食業界では、近年の食品輸入の増加、科学技術の進展等を背景に、狂牛病問題や遺伝子組換え食品の安全性確保への対応が課題となっています。今後、さらに新しい食品の安全性に関する問題が派生することが予想されます。私たち飲食業関係者は、このような時代にこそ、改めて消費者が安心して食生活を楽しめるよう、安全で衛生的な料理を提供していかなければなりません。
 また、いざという時の危機管理能力を高めていく努力を怠ってはならないと思います。そして、最近の科学技術に立脚した食品の安全対策を推進するとともに、IT時代に対応した、インターネット等さまざまなメディアを用いて最新の情報を入手し勉強するとともに、自らも幅広い食品安全情報の提供に努めていくことが必要だと思います。
 食品の安全性やSARS、O157等の問題は、我々の安全な生活を脅やかす軽視できない問題になっています。今では、さまざまな商品に「抗菌」マークが付くなど、衛生面の対応がしっかりされているかどうかが経営にも直接的に影響します。その中でも人々の日常の生活に密着している私たち飲食店は、常に衛生面に関するリスクを抱えています。
 飲食店では、食材・料理の取り扱いや、従業員に対しての衛生管理を充分に心掛けていても、調理設備や食器、厨房などの管理に少しでも不備があれば食中毒を引き起こし、これまでに培ってきたお客様の信頼や評判を一気に失ってしまうといった深刻な問題に陥ります。
 これら衛生管理の不徹底により発生する食中毒や有害な細菌が怖いのは、問題が解決した後までお客様の心理的に大きなマイナスイメージを生み出し、長期にわたり信頼を回復することが困難になり、廃業や倒産にまで追い込まれてしまう場合もあることです。
 今回「飲食店施設の衛生管理についての調査」を全飲連で行いましたが、その結果によると、飲食店の衛生管理が気になると答えた人は86%を占めました。また、飲食店が不衛生と感じた場合、その店へは、「もう行かない」「あまり行かない」と答えた人が82%にも及びました。お客様は飲食店の衛生管理に、かなり関心が高いことを物語っています。

きれいな空気、清潔なトイレが
注目されています。

 また、調理設備や食器、厨房、食材、料理の衛生管理のみならず、飲食店施設全体の衛生管理や安全性が問われています。とくにトイレの衛生や清潔さに関するお客様の関心は極めて高くなってきています。  
 また、受動喫煙の防止対策がなされ、飲食店が「きれいな空気」であることもお店を選択するポイントになっています。このことも広い意味での飲食店の衛生管理だといえます。
 私たち飲食業関係者は、何よりも「顔の見える」地域に根ざした飲食店として、「もてなしの心」に立脚した温もりのあるサービスの提供を行なっていかなければなりません。そして、お客様のニーズと、新しい時代に機敏に対応し、つねに衛生管理の基本に立ち返った飲食店経営に取り組まなければなりません。