全青連 香川県研修会が開催される

全青連田中強会長 榊芳生先生 讃岐塩業株式会の工場見学


 美しい自然と温暖な気候に恵まれた香川県で全青連研修会が開催されました。開催地となった坂出市は、瀬戸大橋で本州と結ばれるいわば四国の玄関口です。11月9日、研修会と併せて香川県青年部創立30周年記念式典が行われ、加藤隆全飲連副会長、榊久雪香川県理事長、全女連木村会長などの来賓と全国の青年部から約80名が出席して開催されました。
 全青連田中強会長は、「標準営業約款制度の開始、食育基本法の制定など、我々飲食業界に課せられた責任の大きさを改めて感じる。全青連の会員がそれぞれの地域を担っていって欲しい」と挨拶しました。
 開催県理事長として歓迎の挨拶に立った榊理事長は「香川県は気候風土に恵まれた穏やかな県。県民性にも現れているが、飲食業界では意欲的で団結力のある気風。皆様と共に業界発展に尽くしていきたい」と、来賓として出席した全飲連加藤副会長は「政治を見ると業界に厳しい風が吹いている。全飲連として会員の皆様のために、言うべきことは大きな声を挙げていきたい」と、それぞれ話しました。
 式典に続いて行われた講演会では、株式会社オージーエムコンサルティング代表取締役会長の榊芳生先生が「外食産業に夢を持とう」と題して講演した。榊先生は香川出身とあって話しにも熱が入り、参加者も熱心に聞き入る活気ある講演会となりました。
 二日目は、讃岐地方の食&カ化に関する研修が行われました。この地方は古くから塩の産地で、讃岐うどんの発展に大きな影響を与えています。訪れた讃岐塩業株式会社で、さぬき麺機株式会社の岡原社長による讃岐うどんに関する講習を受け、その後工場を見学、塩製造の工程を詳しく案内していただきました。
 昼食は、のどかな田園の中にたたずむ昔ながらのうどん屋を訪れ、地元の方々に交ざりながら、本場の讃岐うどんを味わいました。

●榊芳生先生の講演要旨

外食産業に夢をもとう

(1)厳しい外食産業の現実と未来
 「マーケットが延びない」、「激しい過当競争」、「消費者がレベルアップしている」という3重苦の業界。1997年には29兆円の市場が2004年には24兆円に縮小した。また、大手チェーンによる安売りや他産業からの参入により、競争が激化した。そして情報化が進み、消費者がレベルアップしている。先ずは現状を認識して勉強することが必要である。
(2)今、大切なのは働く希望と誇り
 先が見えないから原点に返ることが大切。原点とは「人間が生きていく根幹に関わる仕事である」こと。「しがない飲食業」と思ったら負け。飲食業は、世の中にもっとも必要な仕事である、という誇りを持とう。この仕事で幸せになれるという信念を持とう。
(3)先ず、働く目標を明確にしよう
 成功させるには経営者の人生観とお店をどのようにしていきたいかという目標設定が必要。そして「何故」という理由が求められる。小さな店でもやる気をもって勉強すれば必ず幸せになれる。
(4)お客様を感動させよう
 勉強とはお客様を感動させるための勉強である。海外や都会に行って、美味しい味を経験しているお客様にどうやって感動してもらうか。材料、調味料、技術、接客など全てにおいてレベルアップが求められる。かつてはQ(商品力)S(接客力)C(店舗力)だったが、今はQ(商品力)H(もてなし)A(雰囲気)。大手と同じことをしてはいけない。
(5)働く人を歓喜・感動させよう
 一緒に働くパートさんや従業員を歓喜させて感動させることで、お客様への感動につながる。また、お客様が感動することで従業員の喜びになることを知ってもらう。経営者と従業員が互いに頑張ろうという意識を持つこと。
(6)私たちの仕事はピープルビジネス
 外食産業は、「人との出会い」「芸術との出会い」「自然との出会い」による感動、そして目標達成による感動を得ることができるピープルビジネス。自分の人生や仕事に、いつまでも夢を持とう。


香川県青年部 創立30周年

 香川県飲食業生活衛生同業組合青年部は、昭和50年に全国でいち早く創設された青年部です。オイルショック、物価狂乱など景気が芳しくなかった当時、青年経営者たちが英知を結集しようと集まったのが香川県青年部の起こりです。
 その後、青年部創設の動きが全国で見られるようになり、組織作りや会員獲得など先導的な役割を担っていきました。現在、第4代部長星川正氏を先頭に、研修会や全国大会参加といった業界活性化に向けた活動に積極的に取り組んでいます。
 創立30周年記念式典では、初代部長横田淬二氏、第2代部長金光京一氏、第3代下河嘉人氏の歴代部長に感謝状が贈呈され、星川部長が表彰を受けました。