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9月の市場動向調査

客数が伸びず、減少幅は縮小
トータル売上は前年同月比98.4%


 外食産業の全業態トータルの9月度売上状況は、前年同月比98.4%で前月に引き続き3カ月連続で前年を下回りました。客単価は100.1%と前年並みでしたが、客数が98.3%と減少した結果、売上は1.6%のマイナスとなりました。ただし、前8月は3.1%のマイナスであったので、下げ幅は縮小しています。
 9月は前半好天に恵まれ比較的売上は好調でしたが、後半、天候が崩れ持続できませんでした。また、前年に比べ休日が1日少なかったことも客数減の要因となっています。全体の客単価は前月に引き続きプラスとなり、一部業態を除き下げ止り感が出てきました。店舗数は103.1%で前年に比べ3.1%増加しましたが、ファミリーレストランや喫茶の業態での店舗増が目立ちます。

〈業態別概況〉
■ファーストフードの業態は、全体の売上は前年同月比96.8%と3.2%の減少となった。客単価は101.8%とアップしたが、客数が95.1%と減少し売上ダウンとなった。とくに洋風FFの客数は91.5%と大きく落ち込んだが、反面、持ち帰り米飯/回転寿司とその他(アイスクリーム、カレー)は客数が増え売上も前年を上回った。全体の店舗数は100.9%の僅かな伸びであった。
■ファミリーレストラン業態は、全体で売上99.1%と僅かに前年を下回った。客数は101.2%と増えたが、客単価が97.9%と下落した。洋風、和風の分野の売上はマイナスであったものの、中華、焼肉の分野は前年を上回っている。店舗数は全体で106.5%と増えており、とくに中華は2桁増と出店は活発である。
■パブ・居酒屋の業態は、売上99.1%と0.9%のマイナスであったが、8月に比べると大きく改善されている。ただ、分野別では居酒屋が104.7%に対してパブ・ビヤホールは89.7%と低調であった。全体の客数は98.5%と減ったが、客単価は100.6%と前年を少し上回った。
■ディナーレストランは、客単価が100.4%と前年並みであったが、客数96.9%と減少し、売上は97.3%と前年を2.7%下回る結果となった。
■喫茶の業態は、客数が110.3%と大きく増加し、客単価も99.7%とほぼ前年並みであったことから、売上は110.0%と伸長、この分野の市場は拡大が続いている。
(日本フードサービス協会・外食産業市場2003年9月市場動向調査)


飲食店、ホテルで10月から
補助犬同伴お断りはダメ!

 盲導犬や介助犬など補助犬との同伴の受け入れを義務付ける身体障害者補助犬法の適用対象が10月1日から、ホテルやデパート、飲食店などに拡大されました。
 昨年施行された身体障害者補助犬法では、身体障害者補助犬を同伴することができる施設は、これまでの国・地方公共団体・公共交通機関などだけでしたが、10月からは公共施設等に加えて不特定かつ多数の者が利用するホテル、デパート、レストラン等に広がりました。
 現在、障害者の日常生活を支援する動物として「盲導犬」が約900頭実働しており、皆さんに広く知られていましたが、道路交通法による規定しかなく、宿泊施設や飲食店で同伴を断られることがありました。
 また、「介助犬」や「聴導犬」については、法的な位置づけがなく、ペットと同様に扱われていたため、公共的施設や公共交通機関等への同伴が円滑に受け入れられていない状況にあり、身体障害者の自立及び社会参加に支障が生じていました。
 これらの状況を踏まえ、身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与するため、平成14年10月に「身体障害者補助犬法」が施行されました。この法律は、身体障害者補助犬の訓練事業者及び使用者の義務を定めるとともに、身体障害者が公共的施設、公共交通機関等を利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することができるようにするためのものです。今回、ホテルなど不特定多数の人が利用する民間施設にも拡大されることで、完全実施となりました。