自由民主党政務調査会
新型コロナウイルス
感染症対策本部会議で要望

 令和2年10月28日に自民党本部において、新型コロナウイルス関連肺炎対策本部(下村博文本部長)が西村経済再生担当大臣の出席を得て、『生活衛生関係営業の現状と復興対策』を議題に会議を行いました。
 会議では、全国生活衛生同業組合連合会が現在まで取り組んできた感染症対策の現状や今後の要望についてヒアリングが行われました。連合会からは、全飲連・全国旅館ホテル連合会・全国社交飲食連合会の3団体の代表が出席し意見を述べました。発表内容については、左記の通りです。

生活衛生業界の取組み

①新型コロナ感染予防ガイドラインを策定(業種別14種類)。
②各業種の感染予防・防止対策をホームページ、特設サイト、機関紙で周知するほか、パンフレット、チラシ等を作成、配布。
③セミナー、研修・講習会を各地で開催し、感染防止・予防策を周知・指導(研修受講事業者に修了証書・修了証明シールを交付する組合もある)。
④映画館における新型コロナ対策の啓発映像の提供、換気、飲食と飛沫拡散に関する実証実験を実施。
⑤各店舗・施設においては「業種別ガイドライン」に基づく感染予防策を実践。
⑥「巡回指導」によりガイドラインの実践状況を確認・指導(チェックシートに基づき原則2回、店舗等の巡回指導を実施<現在8万件超を実施中>)。巡回指導において基準に達した店舗・施設に「感染予防対策取組店証」(OKマーク)を交付し、消費者へのPRとして店頭等に掲示。

生活衛生業復興のために

⒈ 新型コロナ禍の影響
①宿泊業、飲食業を中心として、生活衛生業は全般に収益減少の状況が継続。観光地等は、GoToキャンペーンによって収益回復の効果が出ている事業者があるものの、生活衛生業の多くの小規模店舗・施設は、キャンペーンの恩恵を受けることができず、不公平感を抱いているのが実情。
②GoToイートキャンペーンにおいては、風俗営業法の許可店舗が対象外とされ関係業種は大変困惑している。厳しい指導を受けて策定したガイドラインを真摯に遵守しているにもかかわらず、対象外とされたことに落胆している。
③映画館等は、ポップコーン等の飲食に伴うことで入場者が制限され、厳しい状況にあり、飲食に伴う感染リスクについて十分な説明を求めている(業界も独自に実証実験を実施した)。
④理容業・美容業は都市部において苦戦しているものの、住宅地や地方は地元の常連客等に助けられている。しかし、来店間隔の長期化、高齢者の来店減少等によって収益は例年の5割程度に減少している事業者が多い。
⑤食肉、食鳥肉、氷雪販売業は、ホテル・旅館、飲食店、学校給食への食材等の流通が滞り、長期に冷凍庫等への保存を強いられ、相当の収益減を被っている。
⒉ 復興支援策等の要望
①令和3年夏の「東京オリンピック・パラリンピック」の開催、秋の「世界理美容技術選手権大会」を成功に導くためにも、ウイルス検査の能力・体制を強化して陽性・陰性の迅速判定により感染拡大を阻止するシステムを早期に確立願います。これによって陰性の方々の行動は適切な感染予防対策のもとで円滑にし、生活衛生業界のお客様として業界復興の一役を担っていただきたい。
②宿泊業(旅館・ホテル等)を中心に、長引く新型コロナ禍における従業員の雇用の確保に腐心しているため、「雇用調整助成金」の特例措置を新型コロナ感染症の収束まで延長をお願いします。
③旅館、ホテルをはじめ、老舗料亭・日本料理店、映画館、公衆浴場等は広い土地に建物を建て事業を営んでおり、総資産に占める固定資産の比率が高く経営を圧迫しています。このため、土地評価額及び建物評価制度を抜本的に見直し、固定資産税の軽減措置によって新型コロナ禍からの復興支援をお願いします。
④交際費の課税は生活衛生業にとって売上を大きく低迷させる要因になっており、新型コロナ禍によって更なる影響が生じています。このため、期間を限定しても企業規模を問わずに交際費の全額について損金算入を可能とするようお願いします。
⑤日本政策金融公庫等による新型コロナ関係融資の拡充は、多くの事業者が感謝していますが、新型コロナ禍の長期化により、特に小規模事業者は、老後のために蓄えた預貯金等を取り崩す事態も生じています。このため、融資の取扱期限を延長するとともに、貸付期間についても延長をお願いします。
⑥GoToキャンペーンを令和3年度に継続して実施するとともに、宿泊業、飲食業関係が生活衛生業の中心となっている現状のキャンペーンに加え、理容業、美容業、公衆浴場業、クリーニング業による「GoTo KIREI(キレイ)」キャンペーン創設(公衆衛生の向上)のほか、新型コロナ感染症収束の状況を勘案しつつ、社交飲食業界による「GoTo DRINK」「GoTo NIGHT」キャンペーンの実施支援をお願いします。
⑦ポストコロナ、新しい生活様式への対応には、生活衛生業界のデジタル化、ICT、キャッシュレス、多言語化、さらにバリアフリー化が不可欠です。このため、これらの取組みを促進する積極的な支援をお願いします。

   

【全飲連として】

■対策の経緯
 令和2年5月:外食業(飲食店営業)のガイドラインを策定し、全国組合員に対し事業継続のための感染症予防対策の徹底を周知(日本フードサービス協会と生衛中央会と共同して)
●6月:中小飲食店事業者のための対策マニュアルを作成、全組合員へ配布。
●7月〜現在:全国各ブロック委員会開催に併せ、対策の強化を指導。同時に全国衛生センターの実施する巡回指導をサポートしながら個別指導を展開。
●8月〜現在:GoToトラベル及びGoToイートへの参加店の募集要綱等の周知により、飲食店営業のV字回復に期待しているところ。
●厚生労働省生活衛生課監修による動画配信へのアクセス促進
2020年9月18日
居酒屋などにおける感染予防対策動画の配信
⒈ そうだったのか! 居酒屋などでの感染予防〜お客様への対応編〜
 https://www.youtube.com/watch?v=OltMPxQKXpQwatch?v=fu4mejLQQfw
⒉ そうだったのか! 居酒屋などでの感染予防 〜従業員への対応編〜
https://www.youtube.com/watch?v=OltMPxQKXpQ
 全国飲食業生活衛生同業組合連合会HP
 各都府県組合HPへリンク
 東京都飲食組合HPでは動画再生回数9,000回を突破(2020年10月26日現在)
●2020年2月〜現在
各組合に対する新型コロナウイルスに関する情報提供
●『新型コロナウイルス対策マニュアル 〜飲食業の事業継続のための〜』作成と組合員への配布

■要望事項
⑴Gotoキャンペーンを全国的に令和3年度に継続して実施していただきたい。特に令和2年九州豪雨被災地(八代市、人吉市)等、復興地におけるこれらのキャンペーンの延長を求める組合員からの声がある。
⑵ウイズコロナ時代において、令和3年度より実施される消費税の総額表示を小規模事業者の負担増の観点から、現行の特例を延長してもらえるよう要望したい。
(消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法総額表示義務の特例として、平成25年10月1日〜令和3年3対31日までの間)