分煙環境を整える大きなチャンス

受動喫煙防止対策助成金制度が創設

photo01

上限200万円、費用の4分の1を助成

 平成23年10月1日より、厚生労働省都道府県労働局の「受動喫煙防止対策助成金制度」がスタートしました。これは、受動喫煙防止対策に取り組む飲食店や旅館業等の中小企業事業者を対象に、喫煙室、分煙設備工事に対して、費用の4分の1、上限200万円が国から支給されるというものです。受動喫煙対策を進めようにも資金が足りないという飲食店にとってはまさに朗報で、条件に該当する飲食店は、今がローコストでたばこ対策を打てる大きなチャンスの到来といえます。
 平成22年に厚生労働省から都道府県知事に、受動喫煙防止対策の基本的な方向性が示されて以降、全飲連では都道府県組合と連携を図り、受動喫煙防止対策を推進してきましたが、今回の制度の創設で、禁煙・分煙対策への取り組みが、加速化されることが期待されます。

計画認定申請書提出から助成金の振り込みまで

 助成金を受けるに当たっては、工事の着工前に「受動喫煙防止対策助成金関係工事計画認定申請書」を所轄の都道府県労働局労働基準部健康安全課または健康課に2部提出しなければなりません。計画に必要となる書類は多岐にわたっており、漏れのないよう慎重に進めてください。提出後は書類審査があり、認定されれば「受動喫煙防止対策助成金関係工事計画認定通知書」により通知されます。
 その後、認定通知書の写しなどの書類をそろえて「受動喫煙防止対策助成金支給申請書」を所轄都道府県労働局に2部提出し、適当と認められれば、「受動喫煙防止対策助成金支給決定通知書」により、支給決定が行われ、申請書に記載された金融機関の口座に助成金が振り込まれます。

助成金の総額は2.8憶円
従業員の健康を守る視点からもぜひご利用を

 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課環境改善室では、「飲食店や旅館で働く人はどうしても喫煙される人が集まる場所に行くことが多くなります。一般の会社なら喫煙ルームを作って禁煙にすれば済みますが、喫煙もサービスに含んでいる場合にはそうはいきません。飲食店や旅館などの従業員さんの健康を守るためにも、助成金を使ってほしい」と話し、今後も継続していきたい意向。
 ただし、助成金には総額2.8億円の枠組みがあり、無尽蔵にあるわけではありません。現在の申請状況は、担当官によれば「まだ10月1日にスタートしたばかりで未調査ですが、申請予定者は工事前の書類をそろえている段階でしょう」との認識。複雑な申請手続から助成金の支給までの流れを、わかりやすく解説した冊子を準備中です。

飲食店の分煙は避けられない流れ

 分煙環境を作る設備機器の開発と施工において、国内の草分けである潟gルネックスでは、「中小の飲食店や旅館を対象にした助成金ができたこと自体に驚いています。今の厳しい景気の中では、飲食店に受動喫煙防止対策に費やす資金的余裕があるとは思えませんが、せっかくある制度なので、ぜひ活用してほしい」(環境営業部第二営業課副部長・山口昇氏)と、助成金が分煙対策を促進する呼び水になることに期待を寄せています。
 潟gルネックスでは、喫煙室の設置、施設の環境に合わせた分煙設備の提供など様々なニーズに応えていますが、ローコストで分煙できるエアカーテンの設置に力を入れており、比較的狭いスペースでも間仕切りなしに分煙が可能。全国の自治体で初の受動喫煙防止条例を施行した神奈川県でも、審査を通っています。

分煙対策が進まなければ制度として強制化されるおそれも

 公共の場所での受動喫煙をなくそうというのは世界的な動きであり、今のうちに飲食店の分煙が遅々として進まなければ、神奈川県、そして兵庫県の条例のようなものが、もっと厳しい形で将来的に国の法令として決まる可能性もあります。
 飲食店を禁煙にしてしまえば、顧客が減ることは明らか。手続きが煩雑なのも事実ですが、助成金制度の創設は分煙設備を整えるチャンスととらえることができます。この機会に、組合員の皆さんもぜひご検討ください。

 
  [受動喫煙防止対策助成金制度の目的]
 顧客が喫煙できることをサービスに含めて提供している旅館、料理店または飲食店を営む中小企業に対し、喫煙室の設置等の取り組みに対し助成することにより、受動喫煙防止対策を推進。
 
  [支給対象となる事業主]
次の1〜5まですべての条件に該当する事業者
1. 労働者災害補償保険の適用事業主であること。
2. 旅館業、料理店または飲食店を経営する中小企業事業主。
(料理店または飲食店については常時雇用する労働者が50 人以下、またはその資本金の規模が5,000万円以下に限る)
3. 4に規定する措置を記載した計画を作成し、当該計画を都道府県労働局長に届け出た中小企業事業主であること。
4. 旅館等の事業を行う事業場の室内またはこれに準ずる環境において、客が喫煙できることを含めたサービスを提供する場合、3つの計画に基づき、当該事業場内において一定の基準を満たす喫煙室を設置するなどの措置を講じた中小企業事業主であること。
5. 4に規定する措置の実施の状況を明らかにする書類を整備している中小企業事業主であること。
 
  guragu1