2012年 酒類企業社長年頭挨拶 酒類企業社長から年頭挨拶が全飲連に寄せられましたので、その概要を抜粋して掲載させていただきます。
アサヒビール株式会社
代表取締役社長 小路 明善前向きにあきらめることなく
成長戦略を描くアサヒグループは昨年7月に純粋持株会社制に移行し、アサヒグループホールディングス社が誕生しました。私たちアサヒビール社は、そのホールディングス体制の中核事業会社として、「創って造って価値を提供していく」ものづくり販売会社でありたいと考えています。
これからは、お客様の潜在ニーズを把握し、新しい価値を創り出し、お客様に提供していく、価値競争の時代といえます。そのような価値競争の時代に向け、本年も商品開発・売り方提案・情報発信をしていきたいと考えています。
ビール類カテゴリーにおきましては、氷点下という新しい価値を付加したスーパードライを味わっていただき好評でした。「スーパードライ エクストラコールド」や「鮮度」につきましても引き続き提案してまいります。糖質ゼロ発泡酒である「スタイルフリー」、拡大する新ジャンルの中でも伸張著しい「クリアアサヒ」や「オフ」「ブルーラベル」などの商品もブラッシュアップしてまいります。
RTDカテゴリーでは、「Slat(すらっと)」と「カクテルパートナーフワリッチ」を軸に、多様なニーズにお応えできる商品を取り揃えていきます。
焼酎カテゴリーでは、「かのか」、「大五郎」やさつま司のブランドである「薩摩こく紫」を中心に展開し、ブランドの存在感を高めていきます。
洋酒カテゴリーでは、「ブラックニッカクリア」を、気軽に楽しめるウイスキーとして、更にお客様に親しんでいただける取り組みを進めていきます。また、「竹鶴21年ピュアモルト」がウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2011」で3年連続「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルト・ウイスキー」を受賞し、“世界最高賞”のピュアモルトウイスキーとして認定されました。
ワインカテゴリーでは、「サントネージュ・リラ」に加え、お客様のニーズにあった商品を提案できるよう、商品ラインナップを充実させていきます。
需要構造が変わっていく中、本年につきましても、商品を通じて新価値・付加価値を提案していくことで、お客様のご支持・共感を広げていき、常に成長し続けていく企業を目指していきたいと思います。
東日本大震災からの復興への道のりは長いと思われます。そうした中、日本の元気を創り出す一助となれるよう、また、酒類業界の発展のため、邁進していく所存でございます。
キリンビール株式会社
代表取締役社長 松沢 幸一お客様の笑顔と豊かなひとときに
貢献できる企業へキリングループは、震災復興支援を継続的に取り組むべく、「キリン絆復興プロジェクト」として昨年から2013年までの3ヵ年計画で「絆を育む」をテーマに東北の農業・水産業の再生やサッカーを通じての心と体のサポート等の活動を始めました。
当社では、同プロジェクトの一環として「サッカー日本代表応援缶」や「今こそ選ぼう! ニッポンのうまい2011」キャンペーン、東北産の原料を使用した「一番搾りとれたてホップ生ビール」や「氷結アップルヌーボー」などの商品や企画を通じて復興支援活動を行ってまいりました。
さらに、震災・津波で被害を受けた仙台工場では約8ヶ月間の復旧作業の末、11月2日からビールの出荷を再開しました。1923年から88年間東北のお客様からご支持いただいてきた仙台工場でこれからも商品をつくり続けられることは大きな喜びです。この間、皆様からいただいたご支援・励ましのお言葉に改めて心より御礼申し上げます。
販売面においては、震災後の商品供給の混乱や自粛ムード、節電等大きな変動がありましたが、「定番強化」の年初方針の下、ビールでは「一番搾り」、発泡酒では「淡麗」「淡麗グリーンラベル」、新ジャンルでは「のどごし〈生〉」といった定番商品が好調に推移したほか、2月に新発売した新ジャンルの「濃い味」が高い評価をいただいております。
本年は、新しい価値創造に取り組み、お客様ニーズにあった商品を開発することに注力するとともに、キリンビールの営業部門とキリンマーチャンダイジング社とを合わせた新会社キリンビールマーケティング株式会社を1月1日に発足させ、商談から店頭実現まで一気通貫による機動的な営業活動の展開、更なる地域密着営業の強化によりお客様ニーズにより一層お応えしてまいります。さらにメルシャン社、キリンビバレッジ社をはじめキリングループ企業との連携をより深め、総合酒類、綜合飲料としての活動を積極的に展開いたします。
酒類業界を取り巻く環境は厳しさを増していくことが予想されますが、本年も皆様からの一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
サントリーホールディングス株式会社
代表取締役社長 佐治 信忠Growing for Good”の実現を
目指し、更なる挑戦を欧州に端を発した金融不安は世界中に波及し、円高や景気の先行き不透明感が益々強まっています。
こうしたなか、ウイスキー部門ではハイボールの好調を加速させていくために、お客様が商品を召し上がる際の飲用時品質の維持向上が重要な施策と考えており、ハイボール・バーの展開や地道な啓蒙活動を継続して強化してまいります。
ビール部門では、抜群のおいしさと評価頂いている「ザ・プレミアム・モルツ」が、ちょっと贅沢をしたい時に選ばれるビールとして支持されています。「金麦」や、女子会など今までと違ったシーンでの飲用が増えているノンアルコールの「オールフリー」とあわせた、3本柱のブランド力を徹底して強化してまいります。
好調なRTD部門では「–196℃〈ストロング・ゼロ〉」、「ほろよい」、「ソウルマッコリ」、更にはノンアルコールの「のんある気分」など、今年も多種多様な製品をご提案し、消費ニーズの発掘に努めます。
ワイン部門では、国産ぶどう100%シリーズやワインをオンザロックで楽しむ新たな提案などを本年も積極的に行い、グローバルな視点で、ワインの価値向上と更なる認知拡大を図ってまいります。
食品飲料部門では「BOSS」、「天然水」、「伊右衛門」などの主力商品への注力に加えて、市場に新たなカテゴリーや商品を創出していくことに挑戦して参ります。そのためにはR&Dの力をより一層高めていくことが非常に重要と考えています。
弊社のDNAともいうべき“やってみなはれ”精神を発揮して、各事業の成長に向けて、「生産・R&D」「営業」「海外」等の課題ごとに、マーケティング、営業、生産研究、SCMの各部門が一体になって新たな革新に挑戦し、更なる前進を実現したいと考えています。
また、コーポレートメッセージ“水と生きる SUNTORY”の基本理念のもと、本年も環境への取り組みを全社あげて強力に推進していくとともに、企業としての健全な成長を続けながら、積極的に社会と共生し、誠実で信頼される企業、“GROWING FOR GOOD” サントリーの実現に向け邁進してまいります。
サッポロビール株式会社
代表取締役社長 寺坂 史明「お客様満足」を超えた「お客様感動」を
実現する昨年、弊社は全6工場のうち仙台工場、千葉工場の2工場が被災したことにより、最盛期前の重要な時期に黒ラベル、ヱビスビール、麦とホップの主力商品に生産を集中させたため、一部のお客様にはたいへんご迷惑をお掛けしました。6月にはほぼ生産体制は復旧したものの、ビール事業では影響を大きく受け販売数量全体で前年を下回りました。しかし徹底した「選択と集中」により、主力3ブランドは缶を中心とした家庭用市場で堅調に推移しました。
ノンアルコール飲料の分野では、震災直後の発売となった「サッポロプレミアムアルコールフリー」が、計画していた販促活動を十分に実施できなかったものの、お客様からの大きなご支持を頂戴し、当初目標をはるかに上回る販売量となりました。
洋酒事業では、世界No.1ラムブランド「バカルデイ」をはじめ、多くの有力海外ブランドをラインナップに持つバカルデイジャパン社の商品の販売を開始しました。サッポログループが掲げる新経営構想の「成長軌道を確立させる期間」の初年度として、強みを活かし独自性のある競争優位性と、成長戦略に基づく新たな分野での成果を創出するための基盤の構築ができたと自負しています。
ビール事業では、昨年に引き続き主力3ブランドに戦略的に経営資源を投下し更なる強化を図ります。今年の動向が注目されるノンアルコール飲料では「サッポロプレミアムアルコールフリー」をリニューアルし、ビールらしい苦味とコクにこだわったノンアルコールビールという特徴をさらに強く訴求して大きく育てて行きたいと考えております。加えて、ビールテイスト市場における新たな価値の創造にも引き続き積極的に取り組んでまいります。
2012年もサッポロビールは、「お客様満足」を超えた「お客様感動」を実現するために、サッポロならではの商品を開発し、酒類業界の総需要を積極的に喚起していきたいと考えています。そして、あらゆる企業活動を通じてサッポロファンの拡大に努力して参る所存です。引き続き、サッポロビールにますますのご支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。