2011年 酒類企業社長年頭挨拶 酒類企業社長から年頭挨拶が全飲連に寄せられましたので、
その概要を抜粋して掲載させていただきます。
アサヒビール株式会社
代表取締役社長 泉谷 直木自然のめぐみを食の感動へ。
「その感動をわかちあう」を具現化するアサヒビールグループは、長期ビジョン“自然のめぐみを食の感動へ。「世界品質」で信頼される企業を目指す。”を策定しました。7月の純粋持株会社化を控え、アサヒビールグループとしての存在感を高めるため、今まで以上にお客様志向を徹底し、新しい需要創造に向かって全力を尽くしてまいります。
酒類事業におきましても、本年もお客様視点での新しい価値創造に挑戦し、商品開発・売り方提案・情報発信をしていきたいと考えております。
「アサヒスーパードライ」は、22年連続で年間販売数量は1億函を超え、圧倒的な存在感を示しております。新しい需要創造という観点では、昨年、氷点下のスーパードライを味わっていただく「スーパードライエクストラコールド」がご好評をいただき、若い世代や女性へも、市場の裾野を広げることができました。
ビール類カテゴリーでは、糖質ゼロ発泡酒「スタイルフリー」、「クリアアサヒ」と健康系の新ジャンルである「オフ」など、本年は更にブラッシュアップして参ります。
RTDカテゴリーでは、果肉入りのカロリーオフ系ブランド「Slat(すらっと)」と、缶カクテルNo.1ブランド「カクテルパートナー」を軸に、多様なニーズにお応えできるブランドを強化していきます。
焼酎カテゴリーでは、「かのか」ブランドと業務用商材である「こく紫」を中心として、ブランドの存在感を高め、洋酒カテゴリーでは「ブラックニッカクリアブレンド」を、気軽に楽しめるウイスキーとして、更にお客様に親しんでいただけるよう取り組んでまいります。また、昨年のウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2010」において「ニッカ 竹鶴21年ピュアモルト」が「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルト・ウィスキー」を受賞し、“世界最高峰”のピュアモルトウイスキーとして認定されました。
アサヒビールグループは、今まで以上にスピードある意思決定と、適切な資源配分を行い、コーポレートブランドステートメントである「その感動を、わかちあう。」を具現化するため、全ての事業分野において、お客様に感動を提供し皆様と感動をわかちあっていきたいと願っております。
キリンビール株式会社
代表取締役社長 松沢 幸一お客様の笑顔と
豊かなひとときに貢献できる企業へ昨年は、円高やデフレ傾向が継続するなかでお客様の低価格志向や嗜好の多様化なども手伝い、夏場の記録的猛暑も景気回復の特効薬とまではいかなかった1年でした。しかし、サッカーワールドカップ南アフリカ大会における日本代表チームが予想をはるかに超える大活躍をし、日本中が歓喜に沸き勇気づけられたことも記憶に残る出来事でした。
昨年当社は、前年に引き続き「定番強化」、「健康志向への対応強化」、「総需要拡大」を3本柱にかかげ、全力で取り組んでまいりました。お陰様で、2月に120年以上にわたり愛され続けているブランド「ラガー」の味覚とパッケージをブラッシュアップし、長年のお客様からも高いご評価をいただきました。一昨年麦芽100%にリニューアルした「一番搾り」、発泡酒「淡麗」、「淡麗グリーンラベル」、新ジャンルを牽引している「のどごし〈生〉」、世界初アルコール0.00%のノンアルコールビールテイスト飲料「キリン フリー」などの定番商品も好調に推移しています。また7月発売の新ジャンル「本格〈辛口麦〉」も、多くのご支持を頂いています。
さて、本年も引き続き「誰よりもお客様の近くに。そして、もっと豊かなひとときを。」を事業の理念として、ビール・発泡酒・新ジャンル・RTD・ノンアルコールビールテイスト飲料を中核カテゴリーとし、お客様ニーズにお応えする新価値の創造を目指してまいります。くわえてキリンビバレッジ社、メルシャン社をはじめキリングループ企業との連携をより深め、総合酒類、綜合飲料としての活動を積極的に展開いたします。また、公正取引の推進による業界の健全な発展や、環境・省資源や適正飲酒等のCSRについての取り組みも一層強め、あらゆる面でお客様の笑顔と豊かなひとときに貢献できる企業となるべくチャレンジしてまいります。
酒類業界を取り巻く環境は厳しさを増していくことが予想されますが、本年も皆様からの一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
サントリーホールディングス株式会社
代表取締役社長 佐治 信忠“人と自然と響きあう”を企業理念に、
誠実で信頼される企業へビール系飲料市場は全体としては厳しい年となりましたが、弊社は「ザ・プレミアム・モルツ」「金麦」の基幹商品が引き続き好調に推移、加えてノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー」がヒットし、お客様の支持をより強固なものとすることが出来ました。
スピリッツ部門では好評の「角ハイボール」に続き、「トリスエクストラ」を発売、ウイスキーハイボールの更なる拡大を図りました。また海外でも、イギリスの世界的な酒類コンペティション「ISC」において、日本企業として初めて「山崎1984」が最高賞「シュプリーム チャンピオン スピリット」を、サントリー酒類(株)が「ディスティラー オブ ザ イヤー」を同時受賞するという快挙を遂げ、日本のウイスキーへの評価は益々高まりを見せました。
RTDでは、家飲みの傾向を捉えた低アルコール飲料「ほろよい」が若者を中心に支持を広げました。
ワイン部門では、提携先の名門シャトー「ドメーヌ バロン ド ロートシルト社」との共同開発ワイン「センチュリー」を発売。登美の丘ワイナリーで100年にわたり培った技術と、日本人ならではの感性を結集し、グローバルな視点で日本ワインの価値向上を図る大きな一歩を踏み出しました。
食品飲料部門では、当社飲料は各ジャンルとも伸長。特に「BOSS」「なっちゃん」「ニチレイ アセロラ」が大きく伸び、事業基盤をより強固なものとしました。また健康食品事業は昨年もセサミンを中心に大きく伸長、化粧品事業へも本格参入し、グループ事業の柱として成長を遂げています。
“人と自然と響きあう”という企業理念のもと、コーポレートメッセージ“水と生きる SUNTORY”を掲げて、本年も環境への取り組みを全社あげて強力に推進してまいります。社会に貢献し、誠実で信頼される企業、“GROWING FOR GOOD COMPANY サントリー”に向け邁進してまいります。
サッポロビール株式会社
代表取締役社長 寺坂 史明大きな感動を呼び起こす商品づくりに
こだわる昨年のビール業界は、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計の総需要は猛暑であったにもかかわらず前年を約2%下回った模様です。こうした厳しい市場環境の中、弊社のビール事業では、販売数量全体で前年を越えシェアアップを果たせたと思っています。ビールでは「乾杯をもっとおいしく」をコミュニケーションメッセージに、基幹ブランドである「サッポロ生ビール黒ラベル」と「ヱビスビール」を中心にマーケティング展開を行い、20代若年層を中心にファンの幅を拡大し、好調を維持しました。
新ジャンル市場では、「麦とホップ」をリニューアルし「ビールと間違えるほどのうまさ」が幅広い層からご好評を受け前年比で2割増となりました。
本年も黒ラベル、ヱビスブランドの2つのビールブランド、そして麦とホップの3本柱を中心に据え、新商品のクリーミーホワイトの市場定着化と、新たな価値提案を行い、お客様に共感頂ける取り組みに全力で邁進していきます。
ワイン事業は、輸入ワインでは[イエローテイル]を中心に堅調に推移しました。国産ワインでは、岡山ワイナリーが、国産ワインコンクールで近畿・中四国エリアのワイナリーで初めて金賞受賞の快挙を成し遂げました。またフラッグシップブランドの「グランポレールシリーズ」では3年連続で前年を上回りました。9月には勝沼ワイナリーがリニューアルオープンする予定です。本年も国産プレミアムワインを軸に中高価格帯市場で積極的に取り組みます。
焼酎事業では、本格焼酎の「和ら麦」「からり芋」が好調を維持しました。またジンジャーハイボールで話題となった「トライアングルジンジャー」やプレミアム梅酒の「白加賀」も前年を上回りました。
2011年もサッポロビールは、「おいしさで感動を!」をマーケティングテーマに掲げ、「お客様の感動こそ社員の喜びであり、幸せ」という信条のもとに、大きな感動を呼び起こす商品づくりをしていきたいと考えています。引き続き、サッポロビールにますますのご支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。