誇れ、信頼され、実行力のある全飲連に!
新春会長インタビュー質の高い組織としてのリーダーシップをめざしたい
全国飲食業生活衛生同業組合連合会 会長 田中 清三
―景気回復への期待で明け暮れた昨年でしたが、新しい年を迎えてもなお厳しさが予測されますが、まずは全飲連の会長としての今年の抱負をお聞かせ下さい。
田中会長■全飲連といたしましては、特に昨年政府が検討をすすめております年金改革問題に対し、短時間労働者への年金等適用問題に関し全力をあげ、その反対運動に取り組んできました。各都道府県組合の関係の皆様方にも反対署名運動にご協力ご支援をいただいたことを感謝しています。なお、引き続き関係団体と連携を図り断固反対の姿勢で臨んでいきたいと思います。
また一昨年の政府税制改正により、平成16年度より消費税免税店の引き下げに加え、総額表示が義務付けられる等の決定がなされていますが、経営面において負担が増えることも懸念されます。政府の構造改革による金融システムの不安等で中小零細企業の飲食業界も先行き不透明感が増すばかりですが、全飲連といたしましてもこれらを踏まえ、消費の回復、消費拡大、組合振興事業の充実や政府等への税制改正等を含めた要望を積極的に行い、一刻も早い景気回復を環議連の先生方に強く求めていくところです。
―経営環境の厳しさも影響している中で、全国で組合員の減少が見られますが、どうお考えですか?
田中会長■時代の流れとはいえ、各支部の組合員が減ってきています。私は頭を下げてまで勧誘する必要はないと思うのです。ただ「周囲で困っている人がいたら助けて欲しい!」そういう気持ちで、組合員を増やしていこうと、全国をまわって呼びかけています。しかし「量より質」だと思いますので、私も「質」のリーダーとして、心身ともに立派なリーダーシップをとっていかなければいけないと思っています。
商売の原点は「お客様は神様です」
―全飲連は地域の飲食店の連合体ですが、地域の飲食店が一番大事にしていかなければならないものはどんなことでしょうか?
田中会長■昔、大阪で言った言葉ですが、「お客様は神様です」。今こそ、この気持ちでやっていかなければ生き残りはないと思っています。神様に喜んでもらえるような店になればお陰を被るのです。まず一歩、お客様に足を店に入れていただければ、神様が来てくれるわけですから、それに対して最高の喜びを持って迎えます。その結果、お客様に喜んでもらえるのです。神様からお金を頂いて、自分も生かされていくという精神が大事だと思います。
―田中会長は日頃から「感謝」の気持ちということをお話されていますが、今の「お客様は神様です」はそういうお考えと同じものですね。
田中会長■健康で商売ができることへの「感謝」を忘れないということが必要だと思います。その気持ちが、「陽」のたつ自分になるのです。客商売は「陽」をたてないと、「陰」のところには誰も来ません。我々が生かしてもらうには、とにかく「お客様は神様です」という気持ちになってみること。本当の生き残りはそれなんです。
それと健康で商売ができる感謝を持って店を開けなさい。それから、その日の商売がたとえ暇であろうとも、元気で商売ができたこと、たとえお客様が一人だったとしても喜びを持って、無事一日商売ができたという喜びをもって一日を閉じなさいと。
今、バラ色の話をしても、少しも現実的ではない状況にあります。しかしバラ色というのは、自分の心眼で見たらバラにもなるし、灰色にもなるのです。ですから、心の目でバラ色にして行こうと思っています。
自動車保険加入と食事券研究の推進
―さて、全飲連としては、今後どんな事業に力を入れていくお考えですか?
田中会長■組合員が減少傾向で、運営も大変な時だからこそ、やはり福利厚生を重視していきたいと思います。
自動車保険のキャッシュバックについて、組合員ならば全部還元されるというこのシステムを、どういう形でPRしていったら良いのか考えています。いつどこの車が更新時なのか、そのデータを組合員の皆さんから集めていただき、更新時に切り替えていただく。
そういうことをもっと徹底させる年ではないかと思っています。「また全飲連から保険の話か?」と、拒絶反応を起こしている人も多いので、この自動車保険については、もっと対処して説得していきたいと思っています。これは全飲連財源の問題ですからとても重要なのです。
―昨年は全飲連フェスティバルが行なわれましたが、「寿司券」のような食事券の検討もされていますね。
田中会長■食事券は飲食業界の将来の為にも、ぜひ検討していきたいと思っています。これはお客様が先にお金を出して、信用して買っていただくものですから、相当な思いと裏付けがなければいけません。デパートの商品券にしても、各デパートが「全店共通」を作ったのですから、我々も「飲食」だけでなく、「中華」も「喫茶」も連携、ドッキングしてもいい、というくらいの気持ちでやらなければと思うのです。それにはやはりPRに力を入れていこうということです。これを実現するためには人の褌で相撲を取るようなことをしていたら絶対実現できません。組合員の皆さんの意見の集約と研究に取り組んでいくつもりです。
誇れる組合、信頼される組合に―生衛組合の中でも、全飲連は最大の組織であり主要な位置を占めているわけですが、全飲連の果たす役割がますます期待されていると思いますが。
田中会長■確かに中央会の中でも、全飲連が果たしている役割は大きいと思います。年に一回の全国大会にしても、2,500名から集めて行なうわけですから、今後はもっと全飲連の存在をより社会的にアピールして、認識させる必要があるのではと感じています。そのためには、全飲連の芯になる事業を地道に皆で手がけていこうと思っています。それで成果を上げていくことが、組合の信用につながっていくと思うのです。
私は理事長になる時に、「誇れる組合に」、「信頼される組合に」、「情報の収集の場となる組合に」、「実行力のある組合に」をモットーとしました。これからも全飲連を「魅力のある組織」にするための努力は惜しまないつもりです。
―最後に全国の組合員の皆さんに一言お願いします。
田中会長■組合員の皆様の経営の安定と繁栄のために、変革の時代に対応した組合運営に邁進していきたいと思いますので、全飲連の活動に今まで以上のご支援ご協力お願いしたいと思います。